(社)大阪建設業協会(淺沼健一会長)では、マンション居住におけるトラブル対策の マニュアルとなる「 建物のプロがお答えします マンション長生きの秘訣」を作成し た。同協会の建築委員会(委員長=松井攻・竹中工務店常務)が、施工者と居住者のト ラブル防止を中心にまとめたもので、会員各社に配布するとともに事業主や管理会社、 さらに居住者にも活用してもらいたいとしている。 マニュアルは、消費者保護の傾向が強まる中、トラブル発生時には原因説明など初期対 応のまずさから大きなトラブルに発展し、それらを施工不良に求めるケースが多くなっ てきていることから、「トラブルを予防し、大きくさせないこと」を主眼に作成され た。トラブルの原因について松井委員長は、技術的なものからメンテナンス不足なもの まで、多様にあるとしながら、「小さなトラブルに複数の要素が重なり大きなものに発 展することがあるが、施工者に対する理解不足や不信感が根底にあるのでは」と指摘す る。
《大建協、マンション住居者とのトラブル防止マニュアル作成》 また、副委員長の中川徹・清水建設関西事業本部品質長も、「建築に対する知識不足からくるクレームも多 く、瑕疵責任がないのに補修工事をさせられるケースも多い」とし、委員会各社の共通の悩みとする。各管理 会社はじめ建設各社でも管理マニュアルは作成しているが、今回のマニュアルは、「各社のマニュアルにプラ スアルファしたもの」として内容を充実。事業主や管理会社、さらに居住者にも建築に対する知識を深めても らおうと、会員各社にアンケート調査を実施。寄せられた事例373件の中から283件を中心にまとめられた。 マニュアルでは、トラブル要因となる音や結露、ひび割れ、設備関係から、入居後のキズや汚れについての建 築・設備的な解説コーナーに加え、今回の特徴ともいうべき「お手入れ編」として、居住者が日常的に自ら行 う手入れや注意すべき項目を要因別にまとめ、イラストや写真でわかりやすく解説している。A4版サイズで 全86頁。 同委員会では、会員各社に配布するとともに、事業主や管理会社、不動産協会等にも配布。希望者に対しても 頒布(一部1,500円)するとしている。また、インターネットからのダウンロード可能とするため、近く大建 協ホームページに掲載する予定としている。