《近畿建専連が研究会を開催》 建設産業専門団体近畿地区連合会(近畿建専連、北浦年一会長)は24日、大阪市内のホ テルで研修会を開催し、元京都迎賓館建設工事統括所長でもある(株)大林組常任顧問 の水本豊弘氏、(有)アドミックス社長の平智之氏、京都大学工学部助教授の古阪秀三 氏による講演が行われた。 13時30分から始まった研修会には、近畿建専連に加盟する専門工事業の各団体の代表ら 約150人が参加した。 最初に、主催者を代表して挨拶に立った北浦会長は、派遣法の改正や品確法の施行など にふれながら「専門工事業にとっては今が一番大事な時であり、この1、2年が正念場に なるだろう」と指摘。そして「これら改革に対応していくためにも専門工事業が1つに まとまり、声を出していくことが大事だ」と述べ、結束力の強化を訴えた。
また、来賓を代表して挨拶した近畿地方整備局の居谷献弥・建政部長は、品確法などについて行政ならびに発 注者としての取り組みを説明するとともに、建専連に対して「それぞれが持つ技術やノウハウを発揮し、公共 事業の円滑な推進に貢献を」と期待を込めた。 《古阪氏(京大助教授)らが講演》 引き続いて行われた講演では、まず水本氏が「京都迎賓館〜平成の名建築を目指して〜」をテーマに話を進め た。この中で水本氏は、2002年3月の起工から2005年3月の竣工まで、自身が工事の統括所長を務めた京都迎 賓館について、それがどのようにつくられたか、また多くの伝統技術をどのように継承したかを紹介。当時の 苦労話や体験を踏まえながら、躯体をはじめ外装材の長寿命化を図るなどした工事を振り返り、最終的に現代 技術と伝統技術を融合させて完成に至った過程をくわしく説明した。 続いて、アドミックスの平社長が「職人の貸し借りにビッグバン」をテーマに、昨年10月に施行された雇用改 善法改正のポイントについて講演した。平氏はこの中で、派遣は一次・二次業者の救済ではなく、あくまで直 用の代替であり、技能者の100%直用化をめざすプロセスだとの考えを示した。 また、京都大学の古阪助教授は「待ったなし、専門工事業界改革の道筋」と題して講演。古阪助教授は「職人 の教育と処遇がすべてを決める」として、基幹技能者の定義や将来の展望などについて説明し、基幹技能者は 将来的には技術者になるものと指摘。そして、今こそ新しい専門工事業界の世界へと自ら変革すべきときだと 強調した。
【写真は挨拶する北浦会長】