山岳トンネルをテーマに (財)災害科学研究所ジオテク研究会(委員長=松井保・大阪大学名誉教 授)の主催による「ジオテク講演会」が14日、大阪市北区・中之島の大阪大 学中之島センターで開催された。同研究会が毎年、開催しているもので、今 回は山岳トンネルをテーマに、技術課題や事例の紹介が行われ、行政や民間 等から約200人が参加した。 講演会では、初めに主催者を代表して松井委員長が挨拶。松井委員長は、コ スト縮減などにより技術に対する興味や研鑽の機会が失われつつあり、「こ のままでは、世界に冠たる日本の土木技術が若手技術者らに継承できないの ではと危惧する」と指摘、このためこれら講演会を通じて「大いに研鑽して ほしい」とその成果に期待を寄せた。 講演では、山岳トンネル全体の概要はじめ、地盤条件と技術課題、実際の トンネル工事事例などについて、それぞれの担当者らが解説。近年のトンネ ル工法では、主流であるNATM工法が導入され30年近くが経過し、「技術 開発の面では停滞している」などの指摘がなされた。 講演テーマと講師は次の通り。(敬称略)
▽山岳トンネルの動向と技術的課題について=領家邦泰(大成建設)▽切羽補強工の技術的背景と地山条件 =竹林亜夫(東亜測量)▽箕面トンネル(箕面グリーンロード)の建設=武友憲重(大阪府都市整備部)▽ 東海道北陸自動車道飛騨トンネルの設計・施工について=寺田光太郎(中日本ハイウェイ・エンジニアリン グ名古屋)▽地盤の可視化技術とトンネル調査への活用=松井保