関西国際空港2期貨物地区で整備が進められていたエプロンがこのほど完成 した。24時間空港のポテンシャルを活かし、国際貨物ハブ空港として発展す る上でも不可欠なものとして、昨年6月から整備が行われていたもので、面 積約5万2,000?で、五つの駐機スポットを整備。供用開始日となった9日に はアメリカの貨物機が一番機として駐機した。コンクリート舗装工事は大林 道路が担当。工事費は約12億円。 エプロンは、長さ387m、幅134.5mで、エアバスはじめ航空機5機が駐機可 能な5つのスポットを整備。2期貨物地区は、連絡誘導路を挟んだ南エリア と北エリアで計画されており、今回完成したエプロンは、貨物上屋用地とと もに南エリアに位置している。 2008年6月からのエプロン舗装工事では、施工区域を16レーンに分け、さら に各レーンを3つのスパンに区切って実施。生コン敷均し機や締め固め機な ど五種類の機械をワンセットに、レーン上を移動しながら各工程を消化、そ の後は作業員により二次にわたる仕上げと、養生剤散布と養生マットの敷設 を行った。コンクリート打設量は約1万9,000立方m。
工事は、レーン幅を8.5mと広く取ることで工期短縮を図り、通常より水分の少ない生コンを使用してトラッ クでの搬入を可能とし、路盤材にはリサイクル材のクラッシャーラン鉄鋼スラグ(CS材)を採用し、経済 性と環境面にも配慮している。また、コンリート舗装の層厚は36?で、1期島のエプロンと比べ6?薄くな っている。これは、2期島の埋立地盤が薄層転圧締固工法によって造成され、地盤が一期島より高密度で高 強度な均一地盤となっているため。さらに、上部路床が不要となったことから地盤レベルからは40?以上薄 くなり、工事における大幅なコスト縮減も実現した。 2期貨物地区は、2期滑走路の供用に伴い、24時間空港の強みを貨物で活かし、旅客とともに関空の2本柱 とし、日本初の国際貨物ハブ空港を目指して整備されるもの。計画では、今回のエプロンはじめ、貨物上屋 や貨物地区道路、貨物地区連絡道路などを整備し、アジアと世界と関西を結ぶゲートウェイとしての機能を 強化することとしている。