

近畿2府4県の各建築士会で構成する近畿建築士会協議会の「第16回地域実 践活動発表会 近畿あーきてくと2009」が3月28日、大阪市北区の大阪市立 住まい情報センターで開催された。同協議会青年部会の主催により、各府県 で実施されているまちづくり活動などの取り組みを発表するもので、今回 は、‘地域から環境へ 住み続ける『まち』と『くらし』 ’をテーマに事 例発表が行われ、一般からの参加者を含め約130人が参加した。 発表会では、初めに主催者を代表して鎌江良英・青年部会長が、建築士法の 改正により建築士を取り巻く環境は厳しくなったとしながら、「こういった 時こそネットワークづくりを大事にしたい。そのためにもこの発表会が今後 の仕事にも役立つことを期待したい」と挨拶した。 次いで、来賓の社日本建築士会連合会の木村勇治・青年委員長が、改正建築 士法をまず建築士が理解し、「それを解りやすく人に伝え、周知することが 必要」とし、そのためにも異なる分野との交流も必要であり、「近畿をはじ め青年部会のネットワークを有効に活用してほしい」と発表会の成果に期待 を寄せた。
発表では、滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山の各府県で実践されているまちづくりや環境保全への取 り組み事例についての紹介と、発表者をパネラーとしたパネルディスカッションが行われた。 パネル討論では、話題提供として、購入した住宅を自ら環境共生住宅へと改修したエコ研究家で、大阪ガス エネルギー・文化研究所の濱恵介・研究主幹が、その改修事例を解説した。 発表事例は次の通り。 ▽光のリレーションシップ事業「コトナリエ」(滋賀県) 使用済みの廃食油をバイオ燃料として利用し、光のイルミネーションで地域の夏祭りを再生 ▽地域固有の木造伝統住文化を活かした地震・火災に強い住まい・まちづくりの実現に向けて(京都府) 環境負荷の少ない木造住宅で、法令範囲内での耐震化と防火対策の実施 ▽アーバンフリンジの農空間のまちづくり(大阪府) 市街化調整域区内の未利用農地で、新たな農業形態も考慮した地域合意による土地利用調整の取り組み ▽赤井家再生プロジェクト(兵庫県) 登録有形文化財の萱葺き民家と古民家の再生活動を通した地域の魅力発信、交流活動を実践 ▽「土嚢建築」による総合的環境改善事業ー東アフリカエコビレッジプロジェクトを主にー(奈良県) インド西部地震の災害復興に寄与する土嚢建築に着目し、土嚢建築の技術移植等を目的に土嚢建築によるモ デル集落を建設 ▽みみずリサイクルBOX設置事業(和歌山県) 県内間伐材を利用したみみずBOXを小学校に設置、生ゴミからみみず排出する栄養土を緑化等に利用し、 併せてゴミ焼却に伴うCO2を抑制