兵庫県では、2009年度から工事入札における最低制限価格等や技術・社会貢献評価点数の引き上げ、総合評 価落札方式の充実など、建設工事に係る入札・契約制度の改善を実施する。最低制限価格等の引き上げは、 公共工事の品質確保等への悪影響が懸念されるような応札実態を踏まえ、最低制限価格と調査基準価格に中 央公共工事契約制度運用連絡協議会(中央公契連)モデル式を採用するとともに、調査最低制限価格の係数 の一部を公契連モデルに対応させるもの。 最低制限価格の適用は、契約予定金額で現行の1億円未満から5億円未満の工事に、低入札価格調査制度は 契約予定金額1億円以上から5億円以上の工事に引き上げる。また、5億円未満の工事については最低制限 価格制度の対象とし、入札・契約手続きに要する期間を短縮して速やかな発注を行うとしている。なお、5 億円以上の工事での低入札価格調査については、本庁で一括して調査する。実施時期は、いずれも4月か ら。 総合評価方式の充実では、適用範囲の拡大と評価項目の追加で、4月から適用する。適用範囲は原則とし て、契約予定金額7千万円以上の土木工事に拡大し、実施目標件数も120件から概ね200件とした。評価項目 の追加は、県内の厳しい雇用情勢に対する配慮、地域固有の社会貢献活動を評価するものとして、県内下請 企業の活用状況と地域貢献活動の状況を追加するもの。また、建設工事の等級格付け評価点数における技 術・社会貢献評価点数の割合と、工事への入札参加要件とする技術・社会貢献評価点数の引き上げを、それ ぞれ7月から実施。格付け評価点数は、企業の社会貢献が強く求められる中、経営事項審査点数に対する技 術・社会貢献評価の各項目の点数を2倍(但し工事成績の加点部分は3倍)とするほか、CPD(継続学習 制度)単位取得者在籍の場合は六点とする評価項目を追加。 入札参加要件の技術・社会貢献評価点数の引き上げは、同評価点数の取得が進んでいることなどを勘案した 上で、より一層適正に評価し、技術と経営に優れた県内企業の成長を促すもので、公募型一般競争入札、制 限付一般競争入札での一般土木と建築、電気・管工事の点数を引き上げる。 一方、測量・建設コンサルタント等業の入札における企業評価の充実を図るため、技術・社会貢献評価制度 の拡充と経審の審査点数に準じた評価点数(総合数値)を導入して、その多寡を入札参加機会に反映するこ ととした。技術・社会貢献評価の拡充は、現行の六評価項目に、CPD単位取得者在籍や災害応急対策業務 の要請出動、地域づくりのために資する重要な活動、公共施設への愛護活動など13項目を追加して19項目に 拡大。また、入札参加者を技術・社会貢献評価点数の一定点数以上の取得者に制限するとともに、入札参加 者の中で技術・社会貢献評価点数の高い者に対して、より多くの入札参加機会を付与するなどの入札参加要 件点数を設定する。これらは7月から実施される。 さらに2010年7月から、企業評価の統一的基準となる総合数値を導入して、その多寡を入札参加機会に反映 することとしている。