布施工科高の2年生が参加 (社)大阪建設業協会(奥村太加典会長)では、建築系の学生を対象とした 現場見学会を11月27日、りんくうタウンで建設中の「大阪府立大学(仮称) 獣医系学舎新築工事作業所」(泉佐野市りんくう往来北1−58他)で開催し た。同協会労働委員会が、大阪府建設業懇話会(大阪府と在阪建設五団体で 構成)との共催で実施したもので、今回は大阪府立布施工科高等学校の2年 生58人が参加した。 この事業は、発注者である有府立学舎等整備センターがCM方式として実 施。住友信託銀行をCM会社として、設計を日本設計関西支社、施工は栗本 建設工業が担当している。施設は、敷地面積1万3,206・75?に、SRC造五 階建て塔屋1階、建築面積3,993・77?、延床面積1万7,441・63?の規模で 計画された。 見学会では、主催者を代表して大阪府住宅まちづくり部の吉田敏昭技監が挨 拶に立ち、「建設現場では多くの人達が働いており、それら人達の技術の結 集であることを知ってほしい」と述べ、現場を肌で感じて、今後の勉強に活 かしてほしいと、その成果に期待を寄せた。次いで、施設の概要と設計主 旨、工事概要について、それぞれの担当者が説明を行った。施設は、1階か ら3階に教育研究施設と獣医臨床センター、動物飼育室を、4階から5階 は、教員室や実験室などで構成される。
設計のデザインコンセプトは、「生物の細胞」をイメージし、建物は中央のライトコートを取り巻く「コ」 の字型とした。外観も、細胞膜をイメージしてルーバーで覆い、ダクトや配管の露出を防ぎ、また植栽によ り緑と潤いを与えながら防風作用も考慮。全体的には、「機能はもとより居住性も重視、国内有数の設備を 備えたキャンパス」(日本設計)としている。 現場では、石井義央所長はじめ現場スタッフの案内により、5階からライトコートまで順次、見学。建物内 部では、仕上げ段階に入っている内装工事の各作業についての説明を受けながら、つぶさに見て回った。最 後に生徒代表から「この見学会で学んだことを、今後に役立てていきたい」とするお礼の言葉で見学会を終 えた。 工事は、2007年11月22日に着工。現場スタッフによると埋立地であるため「地盤の状態は最悪」とされ杭工 事が大きなポイントだったとしている。現在は内装工事を実施中で、来年1月31日の竣工を予定している。 獣医系学舎は、府立大学の学舎の老朽化・狭隘化の解消を進めるために策定された施設整備プラン(キャン パスプラン)に基づき、関係機関が近接するりんくうキャンパスにおいて、教育研究や社会貢献の充実を図 り、動物バイオ、人獣の防疫と衛生の拠点づくりとともに、りんくうタウンのまちづくりにも寄与すること を目的に整備されている。