阪神電鉄の主催、400人が参加 阪神電鉄(株)では、来年3月20日に開通を予定している阪神なんば線の 「新線ウォーク」を24日に開催した。新線全区間に渡り試運転列車の運転を 開始する前に新線を見学してもらうために開催されたもの。同線は、阪神西 九条駅から近鉄難波駅までの3.4?を結ぶ新線で、工事は西大阪高速鉄道 (株)が事業主体となって2003年10月に着手された。見学会には一般から400 人が参加した。 見学会は、ドーム前駅から九条駅を通って西九条駅に至るコースで実施され た。スタート地点となったドーム前駅は、地下30mに及ぶ五層構造で、地下 2階で地下鉄鶴見緑地線に連絡。ホームは延長215で10両編成の列車に対応す るもの。コンコースとホーム部の壁面はイギリス製の煉瓦で構築。これは、 大阪ガスが同地に建設した日本初のガス工場を記念して、工場と同じく煉瓦 づくりとしたもの。九条駅は、地下2層で地下鉄中央線と接続。同駅付近は 大阪で初めて市電が開通し、また金属加工業者が集積していることから、壁 面も金属をモチーフに市電の車輪をイメージした‘リング’を型どったもの とした。見学会では、スタッフの案内により、駅舎部からシールドトンネル 区間、高架部と橋梁部を見て回り、参加者はビデオやカメラで記念撮影を、 それぞれに楽しんでいた。
阪神なんば線は、阪神電鉄の西大阪線西九条駅と近畿日本鉄道の難波駅を結んで相互直通運転を実施。これ により阪神三宮駅と近鉄奈良駅が繋がることとなり、関西の新たな鉄道ネットワークが構築される。事業 は、阪神電鉄と大阪市による第3セクター方式の西大阪高速鉄道?が建設主体となり、「西大阪延伸線建設 工事」として4工区で実施されている。阪神西九条駅を起点部として、安治川橋梁を含む高架区間約700m、 U型擁壁区間(盛土・切土)約200m、トンネル区間約2,500mで、九条駅とドーム前駅、桜川駅の3駅を新 設する。 工事は、第1工区(区間延長1,351m)を奥村・西松・森本・鉄建特定JV、第2工区(同527m)を大林 組・鴻池組・戸田建設・ハンシン建設特定JV、第3工区(同527m)は大成・前田・五洋特定JV、第四工 区(同937m)を鹿島・清水建設・錢高組・中林建設特定JVが、それぞれ担当している。 2003年10月からの工事では、順調に工事が進捗する中、2007年3月に安治川橋梁の架設を完了、同7月から 桜川〜難波間のシールド工事に着手、2008年3月10日に貫通し、全区間がつながった。今後、駅舎入口や設 備工事等を推進し、2009年3月20日の開通を予定している。