建築費約112億円来年度から設計に着手、2013年度の供用を目指す 兵庫県はこのほど、県立淡路病院建替整備基本計画を策定した。医療機能の充実を目指し、救急医療を含む 専門的な急性期医療等の提供を図ることを目的としたもの。施設は移転により約3万?の敷地を確保、延床 面積3万3,300?程度を整備する。2009年度から基本・実施設計をおこない、2010年度に工事に着手し、2013 年度に供用を開始する。建築費は約112億円を予定している。 現在の県立淡路病院(洲本市下加茂1−6−6)は、1956年に診療を開始し、1968年の第2病棟と1973年に 第1病棟、1978年に診療管理棟、1998年には第3病棟を整備してきた。しかし、2007年に第2病棟が法定耐 用年数を経過、第1病棟も4年後には経過するとともに、2007年に実施した耐震診断の結果、第3病棟につ いても耐震対策が必要とされた。これら建物の老朽化と狭隘化に加え、一般病床の面積が必要基準に満た ず、増改築により病棟が分散化しているため動線が長く複雑であり、医療技術の高度化への対応も限界にき ているーことなどから建替整備が必要とされたもの。 建替整備にあたっては、救急医療を含む専門的な急性期医療等を提供するため、ICUやMRI等の高度な 診断・治療機器を整備し、地域救命救急センター等、国の指定を受けるために必要な施設・設備を整備す る。そのため、災害拠点病院として建物を免震構造により整備し、ヘリポートの設置や3日分の水や電気等 の供給を可能とするライフライン機能の維持・確保、被災患者の受け入れスペースの確保(入院で通常の2 倍、外来で5倍)、医療品等の備蓄倉庫、外来部門等への医療ガス配管の整備などを計画。 また、療養環境等の向上のため、ユニバーサルデザインの採用と心和むアメニティ空間の創出、外来部門で のバリアフリー化やプライバシーが確保できる診療室、待合室の快適性向上、食堂・コンビニ等を整備。病 棟部門では、個室の割合を高め病室面積を拡大する。このほか、各部門の配置では、人と物品搬送の動線の 短縮化と明確化などを工夫するなど、機能面にも配慮するとした。 移転先は、洲本市塩屋一丁目の旧カネボウ電子の跡地約3万を確保。病床規模を441床として、延床面積を3 万3,300?程度とする。建築費では、規模・構造が類似した災害拠点病院として現在、整備が行われている県 立新加古川病院を参考に、約112億円程度(建築費用107億9,500万円、設計・監理費4億500万円)を見込ん でいる。 今後の予定として、今年度は設計準備とし、2009年度から2010年度上期までに基本設計と実施設計を行い、 同年度下期から2012年度を建設工事期間として、2013年度からの供用開始を目指す。