講演と意見交換 ハウジングコンサルタント業務を展開する(株)ハウジングラボ(本社・大 阪市北区、松尾俊朗社長)では、同社の地域有力住宅会社が一堂に会した 「第7回ハウジングラボ全国ミーティング」を16日、大阪市内のホテルで開 催した。業界の最新情報の紹介と企業間の意見交換の場として毎年、開催さ れているもので、今回は20社から約75名が参加した。 ミーティングでは、まず松尾社長が、‘これからの注文住宅市場の方向性’ と‘NEXT CONCEPT HOUSE’をテーマに、世界同時不況の 淵に立つ住宅業界で、持続的な成長企業としてあり続けるための商品開発と 受注活動の方針について基調講演を行った。 講演で松尾社長は、不況下における企業のあり方として、「自社の強みを徹 底的に守り、深く掘り下げ、急進的なものを取り入れる必要がある」と、従 来の保守的な考え方からの転換を指摘。その事例として、海外での斬新的な 建築物を紹介しながら、「これら建築は設計者や施工者にとって自社製品を アピールするものであり、オーナーの個性を建築が現す時代に入った」とし た。
また松尾社長は、時代の潮流と住宅マーケティングの動向の中で、今後は住宅に対して「価値の追求」が中 心となり、「複雑多様な価値観」が求められてくるーと述べ、「その中では企業努力で成長した企業だけが 生き残る」と示唆。価値は、智恵と工夫で生み出す時代であり、「ユーザーに認められる価値を持った住宅 の提供が基本戦略」が必要とし、そのためには「住宅に対する明確なコンセプトが必要」との見解を示し た。 さらに、価値の訴追として、不況下でも収益を上げている自動車産業や電気通信業などの商品展開を分析し ながら、?価値の魅力付けと納得性?新たな価値の発見による魅力付け?従来にない価値を創造した魅力付 けーの三点を挙げ、低成長時代の住宅販売には、「住宅が他の商品より魅力的にならないとシェアは伸びな い」と強調。 今後の方向性では、「個性がキーワード」とし、ユーザーの個性の受け入れから会社としての個性を鮮明に しながら、「特徴あるから会社から個性ある会社へ」と説き、予想される集客力ダウンには、新たな顧客チ ャンネル開発とコストマネージメントの発想転換が大事だと述べ、「まずは全社的な目標を設定し、各部門 で意識するところから始めることだ」と、実例を挙げながら解説した。