吹田操車場跡地まちづくりアイデア募集コンペ実行委員会(構成=吹田市、 摂津市、都市再生機構、鉄道建設・運輸施設整備支援機構、日本貨物鉄道) は7日、大阪市中央区のIMPホールで「吹田操車場跡地まちづくりシンポ ジウム2008」を開催し、約550名の参加者らは、同コンペの計画説明やパネリ スト達の話に耳を傾けた。 「持続可能な都市モデルへの挑戦」など
シンポジウムではまず、主催者を代表し吹田市の阪口善雄市長が挨拶に立ち、まちづくりに関し「吹田市の 果たすべき役割は大きい。今後も関係各者と手を取り合って取り組みたい」と述べた後、第一部として吹田 操車場跡地まちづくり全体構想の計画説明に続き、第二部としてパネリストを篠崎由紀子・都市生活研究所 社長、高橋叡子・大阪国際文化協会会長、阪口善雄・吹田操車場跡地まちづくり計画委員会会長(吹田市 長)、森山一正・同副会長(摂津市長)、コーディネーターを鳴海邦碩・大阪大学名誉教授とするパネルデ ィスカッションが行われた。 「持続可能な都市モデルへの挑戦」をテーマとしたパネルディスカッションでは、まず鳴海氏が「まちづく りについて、それぞれの思いを語り、その展望を話し合いたい」とし、各氏の意見を聞いた。吹田操車場跡 地まちづくりについての意見では、阪口氏が同地区の経緯や吹田市の背景を説明しながら「この地区の持つ ポテンシャルを最大限に活かし、日本、ひいては世界からも注目されているまちづくりを市民や企業の方々 と協力し、進めたい」、森山氏も摂津市の状況を示し「他に例を見ない、すばらしいまちにしたい」、また 高橋氏は「環境に無関心な人も多い中、緑と水につつまれた健康・教育創生拠点をテーマに掲げたまちづく りは、大きな意義がある。市民一人ひとりが参加することにより、誇りが持てるまちができるのでは」、篠 崎氏は「万博と並び称せられる21世紀のシンボリックなプロジェクトであり、吹田・摂津両市長の強力なリ ーダーシップが重要で、その手腕に期待している」と述べた。 続いて、持続可能な都市として何が求められるのかとの問いには高橋氏が「豊かさの価値観が変化しつつあ るいま、新しいつながり、クオリティオブライフが持てるまちづくりが持続可能な都市の基本では」、篠崎 氏は「ライフサイエンスクラスターとしても世界のけん引役となると期待している。医療も産業の視点で見 るエコメディカルという発想も持ちあわせ、経済の視点からも持続可能にしたい」、森山氏は「子孫たちに いかにすばらしいと思ってもらえるかが私達にかかっている。ハード面では、当時は前例のなかった御堂筋 を計画した先輩たちのように、大胆な発想と緻密な計算で取りくまなければならない」、阪口氏は「ひとと 自然、都市と地球が共存調和を図れるよう、健康をキーワードに、すべてに対しエコメディカルなまちづく りに邁進したい」と話した。 最後に、2011年のまちびらきに向けて、との問いかけには篠崎氏が「21世紀の環境モデルとなるよう期待し ている」、高橋氏は「新しいライフスタイル・北摂ブランドの確立を目指してほしい」、森山氏は「生活環 境空間として、住むことにこだわりを持てるような、1+1が2ではなく3になるまちにしたい」、阪口氏 は「地の利を大いに活かし、まちづくりを推進したい。関西の経済復権のためにも夢のある提案をいただ き、まちづくりにぜひ協力いただきたい」とそれぞれの立場からの言葉を述べた。 最後に鳴海氏は「周辺環境といかに調和し、魅力的なまちづくりを先導するか、これまでの日本になかった 空間になると注目度は高い」とし、「まちづくりにはネーミングも重要。誰もがわかりやすく忘れられない ような、地域の特長を示す最初のてがかりになるような名前をつけてほしい」、また「地域にとけあい、か みあって初めてまちづくりが成功する。その地域づくりの拠点となるようなまちづくりアイデアの中身に期 待している」とアイデアコンペへの多数の応募に期待を寄せ、パネルディスカッションを締めくくった。 コンペでは個人または個人のグループを対象とし、吹田操車場跡地まちづくり可能用地(約23ha)及び正雀 処理場及びクリーンセンター用地(約4.5ha)の約27.5haについて、まちづくりアイデア部門(まちづくりの アイデアや、立地を図る機能・施設)とネーミング部門(まちの愛称)の2部門についての提案を求める。 質問を4月18日まで受け付け、回答書を同コンペホームページ上で公開する。作品受付は5月9日まで、審 査結果を6月中旬に発表、同下旬に表彰式を開催する。 吹田操車場跡地まちづくり http://www.suisou-compe.jp/