

新しいまちづくりの核に 水都再生の拠点にー。大阪府が、2005年度から整備を進めていた八軒家浜整 備事業の船着場が完成し、3月29日に開港式が執り行われた。大川(旧淀 川)の天満橋下流200mに親水護岸等とともに整備されたもので、開港式には 橋下徹・大阪府知事、平松邦夫・大阪市長、建築家の安藤忠雄氏らが出席 し、記念植樹とテープカットを行った。 八軒家浜整備事業は、大阪都心部の河川を対象とした「水の都大阪」の再生 が、都市再生プロジェクトに指定されたことから、2002年10月に大阪府や大 阪市、経済界などで設立された「水の都大阪再生協議会」が、2003年3月に 策定した「水の都大阪再生構想」を受け、府が、「八軒家浜水陸交通ターミ ナル整備」計画として着手したもの。 同計画では、大川左岸沿いの天満橋から天神橋までの延長500mに、船着場を はじめ親水護岸や遊歩道、賑わい施設などを整備するもの。事業は、天満橋 から京阪シティモール前面の200mを第1期、その下流300mを第2期として 実施され、今回、第1期の整備が完成したもの。
開港式では、初めに橋下知事が挨拶。橋下知事は、「水都大阪のイメージは東京などでは周知されておら ず、この開港を機に積極的にアピールしたい」としながら、現在の姿では型にはまったものでインパクトが ないと、「光を装飾し、水と光のまち大阪を全国に、世界に売り出したい」と新たな演出へ意欲を見せた。 平松市長は、船着場沿いの店が川に向かっていることに「新しいコンセプトで今後のまちづくりを変えてく れるものだ」とし、「来年に予定している水都大阪イベントに向け、市と府が協調して水の都大阪をアピー ルしたい」と大阪の新名所の誕生を喜んだ。 次いで、水都再生へのアドバイザーを務める安藤氏が、「川を使ったまちづくりは日本の原点。開港を機に 官民が連携し、多くの人が参加することで大阪に元気がでる」と述べ、今後の協働を呼びかけた。また、近 畿地方整備局の布村明彦局長は、「府市が連携し、川を楽しみ、まちづくりに活かすことは大きな意味があ る」とし、「大阪の財産を活かしたチャレンジ、新しいまちづくりを大阪から発信したい」と支援を約束し た。 次いで、桜の記念植樹とテープカットが行われら、橋下知事や平松市長ら7氏が紅白のテープにハサミを入 れるとクス玉が開披され、出席者らから大きな拍手が沸き起こった。この後、関係者や多くの市民らが見守 る中、1番船が船着場に着岸した。今回、整備されたのは台形と長方形の船着場3バース延長約110m、遊歩 道(プロムナード)と階段、スロープなどで、この整備に併せ京阪電鉄でも、船着場と天満橋駅が直結する エントランスなどを整備したほか、照明は三菱ハイタク事業共同組合が、イルミネーションは地元町会から 寄贈された。 また、2期事業では、遊歩道や歴史的景観としての護岐の再現、京阪電鉄グループによる賑わい施設の整備 などを2009年3月に実施する。事業費は1期約4.4億円、2期約6.8億円。