大阪府市場化テストを踏まえ、 府行政書士会が提案応募
大阪府では、行政と民間の連携により公共サービスを提供する取り組みとして、業務の民間開放を推進する大 阪版市場化テスト導入により検討を続けていたが、このほど、その方向性を決定した。 民間からの提案を基に審議を進めたもので、対象4業務のうち、建設業許可申請受付等に関しては、検討を継 続することとした。
市場化テストについて大阪府では、「大阪版市場化テスト監理委員会」での検討を踏まえ今年5月、職員研修 と大阪自動車税事務所の催告事務、高等職業技術専門校テクノ講座、建設業許可申請の受付等の4業務に関し て民間からの提案を公募、その結果を踏まえ、府としての対象業務の方向性を決定したもの。
提案公募には、職員研修に12件、税事務所の催告に6件、テクノ講座と申請受付に各1件の応募があった。 評価では、サービス水準や個人情報の保護などの「基礎評価」、実施方法や具体性の「サービスの質の向 上」、「コスト削減」、「提案の実現可能性」について審議が行われた。
建設業許可申請の受付等業務の提案公募には、大阪府行政書士会が応募したもの。 提案は、対象業務に係る現行の制度や体制、実施状況とコストなどを示した「情報開示シート」を基に作成さ れた。
同書士会の提案について監理委員会では、業務の事業提案公募段階で課題となった公権力の行使に関する整理 等が、「さらに必要」と結論付け、公権力行使の業務の分析や切り分けを行い次第、「情報開示シートを修正 して、事業提案の公募に努めてほしい」と、検討の継続を要請した。
この審議結果を受け府では、引き続き検討するとした。現在、受付業務を担当している住宅街づくり部建築振 興課によれば、今後、9月から10月にかけて検討を進め、来年4月にも事業提案を公募し、その後、習熟期 間を設けて秋頃にも民間事業者による業務を開始したい意向だ。
大阪府における建設業許可の申請は、新規と更新、業種の追加と変更の各申請業務があり、昨年度は約1万 1、300件で、これを8名の職員が担当。現行体制では作業に時間がかかり、申請者にとっても待ち時間が 長くなる上、業務場所である府庁新分館のスペースも手狭なことから、振興課では業務の外部委託について、 今回の市場化テスト実施以前から検討を進めていた。
これまでに、既に外部委託を実施している東京都に職員を派遣して調査を行ったほか、委託にあたっては、 「行政にないノウハウも期待する」ことから、提案公募や委託先選定にあたり総合評価方式の実施なども検討 されている。
大阪版市場化テストは、行政と民間が多様な形で連携し公共サービスの提供を図るPPP改革の一環として推 進。 平成17年度にはガイドラインを策定し、「官民競争型」と「提案アウトソーシング型」の2種類を設定。 今回の市場化テストでは、職員研修と自動車税事務所の催告事務に関して「民間開放すべし」とされ、職員研 修業務は来年4月から事業が開始される。