福永清 新社長に聞く 関西の活性化に全力注ぐ 人が輝く都市を目指すことを使命に、CS(顧客満足)を信条に掲げながら都 市再生のプロデューサーとしてのコーディネート業務や賃貸住宅管理など、積 み重ねたノウハウを踏まえ組織運営を図る独立行政法人都市再生機構。なかで も福井県、中国(山口県を除く)、四国を含む15府県を業務エリアとする西 日本支社管内には、都心に残された最後の1等地である大阪駅北地区などが含 まれ、その注目度は高い。6月に理事・支社長に就任した福永清支社長に抱負 などを聞いた。 就任後1カ月半が経過し「関西も非常に元気があるという印象を持ちました。 大阪駅北地区をはじめとした今までの実績を踏まえ、私も関西の活性化に全力 を挙げて取り組みたいと考えています。就任して各団体などを回らせていただ き、私どもに対する期待を身を持って感じていますので、その期待には是非と も応えていきたい」とその抱負を語る。
〜〜〜〜 国有地の再生を 総合評価方式20年度までに5割以上(全社) 〜〜〜〜
事業展開に関しては「1点は都市再生の推進、2点めは都市基盤整備公団から受け継いだ全国で77万戸、西 日本支社管内では21万6、000戸の賃貸住宅管理等業務、3点めには計画的に事業完了すべき業務(ニュ ータウン事業)」を挙げる。 まず都市再生では、大阪駅北地区や福島1丁目地区、淀屋橋地区、桃坂コンフォガーデンなどの大型プロジェ クトが先が見えてきており、次なる段階を迎えようとしている。また都市再生のプロデューサーとして、事業 立ち上げの前段整理を行っている各地でのコーディネートが19件あり、中でも「今後の新しいターゲットは 都心の国公有地の再生」を挙げる。そのために「担当行政との調整相談を円滑に行い、うまくお手伝いできれ ば」と語る。さらに密集市街地、地方都市の再生についても力を注ぎたい考えを示す。
「2点めは賃貸住宅ストックをいかに有効に活用するか。少子高齢化時代のハードソフトいずれもが時代に適 合した賃貸住宅が求められています。3点めはニュータウン事業について、平成25年度までに工事を、平成 30年度までに土地販売を完了するためにスピードを上げながら、いいまちをつくりたい」とそのビジョンは 明確だ。
関西圏のみならず、世界的にも大きな期待と注目を集めている大阪駅北地区については「今後は1期の中での ソフトが課題」とし、2期に関しては、「現在は大阪市が事業全体を通しての課題整理をされている段階であ り、その中で私どもにはどういう役割を求められているのかを見出さなければならない」とし、「1期に引き 続き、お手伝いできるものがあれば全力で取り組む」と意欲を示す。
入札契約制度については「18年4月に制度化され、試行的に実施中の総合評価落札方式が昨年度実績で西日 本支社管内3件、全国では29件あり、今年度も拡大する方針。20年度までには金額ベースで全社で5割以 上の目標を持っています。低入札価格については特別重点調査を今年度から実施しているほか、さらには電子 入札システム導入を検討中です。改善点をさぐりながら本格実施に向け取り組んでいるところで、今年度には いずれかの支社で試行的に実施することとしていますしたいと考えています」。 〜〜〜 「明るく元気に楽しく」モットー 〜〜〜 「開発に携わったニュータウンなどの販売を担当し、面白い、と感じた。数字が悪い時にはなぜ売れないの か、意見を出し合い解決していった」と今までを振り返る。特に「緊張感の連続で得がたい経験」だったのが 広報。「外向きの仕事かと考えていたがそうではなく、むしろ外の意見を内に発信するのが大きなウエイトを 占めていると実感した」という。
関西での仕事は初めて。「趣味は寺社巡り。関西は寺社の宝庫でもあるので、休日を上手に使いたい」と計画 を練っている。学生時代は器械体操の選手だったが「宙返りを今やれば、きっとお腹の皮が裂けるでしょう ね」と笑う。日本酒が好きで、本でおいしい地酒を調べてお気に入りを探すのだとか。
職員には、仕事をするのならば『明るく元気に楽しく』やろうと折に触れ話す。「強いて言えばそれが座右の 銘でしょうか。CSを支えるのはES(従業員満足)だと思います。誇りの持てる仕事をいきいきと、活気あ る職場で行える。その手助けをするのも支社長の役目のひとつです」。
================================================= ふくなが・きよし=昭和45年3月静岡大学人文学部法経学科卒業、同46年4月日本住宅公団、同63年6月住 宅・都市整備公団中部支社都市開発部企画用地課長、平成2年6月首都圏都市開発本部都市開発企画部企画第 一課長、同5年5月本社都市開発企画部都市開発用地課長、同7年5月本社企画調整部調整課長、同8年5月 本社管理部付、同9年6月関東支社住宅市街地第一部次長、同年10月埼玉地域支社都市整備部次長、同10年7 月本社総務部広報課長、同11年10月都市基盤整備公団本社総務部広報室長、同12年6月本社管理業務部供給計 画室長、同13年6月本社再開発部長、同14年7月首都圏募集販売本部長、同16年7月独立行政法人都市再生機 構募集販売本部長、同17年7月本社人事制度審議役、同18年6月監事を経て、同19年6月理事・西日本支社長 に就任。昭和21年5月15日生まれ、61歳。岐阜県出身。 =================================================