府警本部棟第2期新築工事 今宮工科高校生が参加 社大阪建設業協会(淺沼健一会長)では、若年建設従事者の入職促進の一環と して、建築系学生を対象とした現場見学会を12日、大阪市中央区で、竹中・ 間・安藤・錢高・松村・ベクテルJVが施工する「大阪府警本部棟新築第2期 工事作業所」で開催した。 同協会労働員会の主催。今回は大阪府立今宮工科高等学校建築科の3年生11 人が参加した。 府警本部第2期棟は、大阪市中央区大手前3丁目の府警本部第1期棟の東側 に、SRC一部S造地下3階地上10階建て塔屋2階、建築面積約6、200 平方?(全体約1万7、000平方?)、延床面積約6万2、000平方? (同約11万8、000平方?)の規模で建設するもの。 見学会では、竹中JVの岡田因善統括所長はじめJVスタッフが出迎え、初め にビデオによる工事概要と、同現場が導入している建設CALSの取組などを 説明した後、岡田統括所長の案内により作業所内を見学した。
場内では、最上階から低層階までの主なフロアを巡回したほか、庁舎の顔とも言うべき玄関部分、ロビーフロ アから続く中庭、屋上へリポートと南東角に面するカーテンウォールなどをつぶさに見て回った。ヘリポート では上からの眺望と、屋上部分からはへリポートを支える下部構造などを見学した。
見学終了後の質疑で、施工上のポイントとして岡田統括所長は、「ヘリポートとカーテンウォール」を挙げ、 「ヘリポートでは鉄骨精度とヘリポートの外周先端パネルの精度に苦心した。また、カーテンウォールではカ ーテンウォールを際立たせるために両サイドにあるアルミパネルの品質と施工精度を高めた」と、それぞれの 取組を語った。
また同工事は、大阪府のCALSのモデル現場とされており、有線LANによる場内ネットワークを構築して いる。情報の共有化と電子納品を行うもので、当日の作業スケジュールや場内配置を管理するとともに、打ち 合わせの決定項目などを各作業員にリアルタイムに伝達。
また協力会も含めた作業所用ホームパージを作成して、新規入場者教育、施工体制台帳や安全環境品質協議会 の議事録等の閲覧にも活用しており、岡田統括所長は「安全管理面でもメリットがある」とその効果を挙げて いる。
大阪府警察本部棟は、事業コンペにより最優秀提案となった黒川紀章建築都市設計事務所の「大阪府庁舎・周 辺整備基本計画」に基づき建設が進められているもの。平成14年には敷地西側に第1期棟が竣工し、同15 年4月から2期棟に着手した。 設計は大阪府建築都市部公共建築室、黒川紀章建築都市設計事務所が担当。
工事は現在、玄関部を残し、内装工事もほぼ終了しており、外構を除き9月頃には完成する見込みで、完了検 査などを経て12月には竣工の予定。 現在の進捗率は約96%で、これまで約118万時間(建築JVのみ)に及ぶ無事故・無災害記録を継続中。