橋脚工事やトンネルら (社)大阪建設業協会(淺沼健一会長)の土木現場見学会が21日、「第2京 阪道路建設現場」で開催された。同協会の会員各社の技術向上を図るために 土木委員会と大阪土木施工技士会の共催で行われたもので、会員各社の担当 者ら約50人が参加して、同道路のうちの寝屋川工事区を中心に見学した。 見学会は、第2京阪道路の近畿地方整備局と西日本高速道路?関西支社(N EXCO)が合併施行する茄子作地区から門真地区で実施されている各工区 で行われた。近畿整備局が行う直轄工区は、茄子作から星田、寝屋川北・南 とNEXCO工区となる打上改良工事までの区間。 この区間の下部工は今年3月の完成。現場では浪速国道事務所の担当者から 説明を受けながら見学。高架部は六車線の自動車専用道路で、高架下を一般 道路とし、その両側約20mに環境施設帯を設ける改良工事を実施。上部工は 現在、星田地区ではPC場所打による作業を実施、他の区間は設計中となっ ている。
次いで、NEXCO工区を見学。この区間は、直轄工区の寝屋川南から、国道170号線に到る寝屋川市域での 延長1,760mの区間で、高宮工事と小路トンネル工事、国守工事、打上工事の四工区で工事が実施されてい る。ここでもNEXCO枚方工事事務所の担当者とビデオによる工事概要説明が行われた後、各現場を見て 回った。高宮工事は、小路トンネルの大阪側からのアプローチとして、延長305mに高さ15m幅35mの橋脚7 基を建設するもので、現在まで5基が建ち上がており、進捗率では約60%。 小路トンネルは、自動車専用道として中央に2本のトンネル、その両側に一般道トンネルを各一本づつ配し た延長670mの4連トンネル。工事では、3本の先進導坑と各トンネル間の支柱となるピラーの設置も終え、 今月から本格掘削を開始する。これまで約64%の進捗状況。 同トンネルと京都側で接続する国守工事は、延長220mにわたり、開削工法により4連ボックスカルバートと アーチカルバートを構築するもの。インバート仮桟橋を採用して今年1月からコンクリート打設を開始。約 45%の進捗となっている。 これに続く打上工事は延長565mで、4連ボックスカルバートと土工部、直轄工区と接続する打上橋を施工。 打上橋は延長33.3mのポータルラーメン橋で、全体では約30%の進捗となっている。また、門真市での工事 は、直轄工区として大阪北道路の門真地区下部その他工事として実施。延長680mの橋脚八基を構築するもの で、下部工と併せて門真市の下水管渠と浪速国道事務所施行の共同溝工事も行われている。 これら各現場では、施工担当者からそれぞれ説明を受けた。各工事とも共通しているのは近隣への安全と環 境への配慮。ルート上は多くの生活道路と交差するため、工事車両の搬出入時の安全対策はもとより、作業 における騒音・振動対策に万全を期しているほか、トンネル工事では、坑口を防音ハウスで覆うなどの対策 に努めている。また、門真地区では、交通量の多い都市部での工事となるほか、軟弱地盤対策とルート上で ダイオキシンが検出されたことから、それら対策にも多くの労が強いられた。 第2京阪道路は、一般国道1号の渋滞解消を目的に、京都と大阪を結ぶ延長28.3?、6車線の自動車専用道 路と一般道路からなるバイパスとして計画された。1983年に事業着手し、2003年3月には巨椋池ICから枚 方東IC間の10.5?が供用した。愛称は「緑立つ道」。 なお、高宮工事は村・テトラ特定JV、小路トンネルは大成・間・福田特定JV、国守工事は鹿島・熊谷・ みらい特定JV、打上工事は大林・青木あすなろ・松村特定JV、門真地区下部工は竹中土木が担当してい る。