虚偽内容は完工高水増し 大阪府の2006年度の経営事項審査の審査結果がこのほど、明らかになった。昨年4月から今年3月までの虚 偽申請による処分件数は65件と、前年度の19件より46件の増加となった。これは前年度に比べ調査件数が増 加したことから「それに比例したもの」と、窓口である住宅まちづくり部建築振興課では見ており、虚偽内 容も「完工高の水増し」が依然として多いとしている。 2006年度に府が受付けた建設業許可業者数は4万138者で、内訳は知事許可が3万8,715者、大臣許可が1,423 者で前年度と比べ全体で1,938者の減少。知事許可では1,939者、大臣許可では39者と、それぞれ減少してい る。このうち、2006年度の新規許可業者数は全体で2,360者で、知事許可が2,252者、大臣許可が108者となっ ており、前年度比で知事許可が103者の増加、大臣許可で五者の増加で、全体では108者の増加となった。 これら業者のうち、府が2006年度に経営事項審査を受付けたのは知事許可で8,388者、大臣許可が949者の 9,337者。全体で前年度より430者の減で、知事許可419者、大臣許可で11者の減。 さらに知事許可の審査件数の中で、調査が実施されたのが882件で、前年度の423件の倍近くとなった。これ ら調査のうち、呼出をかけたのが877件、立入調査が5件。前年度と比べて呼出で457件、立入調査で2件の 増加。 これら調査の結果、処分された件数は65件で、内訳は勧告処分が54件、指示処分11件。前年度より件数で46 件の増加、処分内容では前年度が勧告処分ばかり19件だった。処分理由となった虚偽申請の内容は殆どが完 工高の水増し。水増し額と実際の完工高の差額では、総額で15億883万3千円にのぼる。なお、虚偽内容のう ち、完工高と職員数の水増しは前年度はゼロだった。また、再犯による処分者は前年度に続きなかったほ か、処分を受けた業者の所在地では、大阪市内が4者(前年度5者)、南河内郡4者、堺市内2者、泉北郡 1者となっている。 前年度から調査件数と処分件数がともに増加に転じたことについて振興課では、「調査件数そのものが増え たことによる」としている。調査では、「そこまで細かく見るのか」と業者側から声が上がったとされるほ ど、厳しいチェックが行われた。また件数の増加については、「業者間の相互チェックも働いたのでは」と の見方をする向きもある。 大阪府では、ここ数年で審査体制の強化に努めており、以前と比較して摘発される業者数も減少傾向にあっ た。しかしながら虚偽申請を行う業者が跡を絶たたない状況にあり、その手口も巧妙化してきている。ま た、摘発される業者の所在地も府内全域に広がりつつある傾向も見逃せず、振興課のみならず、関係部局と の連携した取り組みも必要となってきている。