落札率チェック、コスト事後調査など 兵庫県では、2007年度の建設工事に係る入札・契約制度の改善取組を発表した。現行の制度について、「公正 な契約手続きの確保」「品質の確保」「建設企業の健全な育成」の視点から点検・検証を行い、その結果を踏 まえて新たな改善取組を実施するもの。一般競争入札の拡大はじめ、最低制限価格や企業評価の見直し、不 良・不適格業者の排除まで18項目にわたる改善対策を挙げ、4月より順次、実施していく。 公募型・制限付き一般競争を導入 公正な契約手続きの確保では、競争性の促進や企業間の事前協議防止、監視とペナルティの強化など。競争性 促進では、一般競争入札の拡充を引き続き推進するとともに、従来の公募型指名競争入札を「公募型一般競争 入札」に改めて、「制限付き一般競争入札」を新設。これにより対象工事金額をそれぞれ引き下げる。また、 公正な競争促進と入札参加機会増加を図るため、指名企業数を拡大する。 企業間の事前協議防止では、入札参加者同士の顔合わせを防ぐため、設計図書の電子化導入(2009年度)まで の間、設計図書を郵送とした。また監視体制として、落札率を毎月チェックし、入札監視委員会でも予定価格 の95%以上の案件と談合情報が寄せられた案件を全て審査対象に付加することとした。品質の確保では、ダン ピング対策として調査基準価格と調査最低制限価格の算定式を見直し、低入札調査対象工事の工事施工後に工 事コスト調査を実施、下請代金支払い等を確認。 また、総合評価落札方式についても、県土整備部技術審査会(VE審査会)で、従来の成果を検証し、評価の 項目や基準、加算点等を改善し、対象案件を2006年度の2倍とする意向。このほか、設計業務でのプロポーザ ル方式の拡充と、一般競争入札(WTO案件)で入札ボンドを導入する。 建設企業の健全な育成では、県が独自に制度化している「技術・社会貢献評価」の評価項目や点数を見直すと ともに、先にあげた一般競争入札の拡充や調査価格の見直し、工事コスト事後調査などでの対応を図っていく こととしている。 改善項目は次の通り。 公正な契約手続き ▽一般競争入札の拡大(1月29日公表済) =公募型一般競争入札と制限付き一般競争入札を実施(4月) ▽指名企業数の拡大(1月29日公表済) ▽設計図書の郵送(4月) ▽入札・契約情報の公表の推進(1月29日公表済) =入札参加資格設定等の決定過程(契約締結後)・発注基準・低入札価格調査の実施内容(契約締結後) (4月) ▽落札率のチェック及び検証(4月) ▽入札監視委員会による監視の強化(1月29日公表済) =高落札率・談合情報案件調査を付加(4月) ▽一定規模以上(公募型一般競争入札)の契約締結結果の議会への報告 =県議会(常任委員会)へ報告(7月) ▽指名停止基準の改正(4月) ▽入札参加企業からの誓約書の徴収(4月) ▽「入札・契約事務必携(マニュアル)」の作成 =職員倫理の向上(4月) ▽「兵庫県職員公益通報制度」の活用等による不正行為の未然防止(継続実施) ▽職場研修体制の開催等による意識啓発・向上(継続実施) 品質の確保 ▽調査基準価格・調査最低制限価格の見直し(4月) ▽低入札調査対象工事に対する工事コスト調査(事後調査)の実施(4月) ▽総合評価落札方式の見直し(継続実施) ▽プロポーザル方式の拡充(1月29日公表済) ▽入札ボンドの導入(4月) 建設企業の健全な育成 ▽技術・社会貢献評価項目の見直し(7月)