環境配慮の建築物が対象 建築主、設計者を表彰
大阪府はこのほど、環境配慮に優れた建築物を顕彰する「大阪サステナブル建築賞」を全国に先駆けて創設し た。地球温暖化やヒートアイランド現象防止など、環境に対して優れた配慮を施した建築物を対象に表彰する もので、4月から施行し、毎年1回、知事が表彰する。 この賞は、大阪府環境基本条例の理念に則り、地球温暖化の防止等に関し、府と事業者、建築主、府民らの責 務を明らかにして平成17年に策定された「大阪府温暖化の防止等に関する条例」(以下、条例とする)に基 づくもの。
建築物の環境配慮の模範となる建築物や取り組みを表彰することで、環境品質・性能や環境負荷低減性に優れ た建築物の普及促進、建築物におけるエネルギー消費量の低減を図り、地球温暖化やヒートアイランド現象の 防止及び良好な都市環境の形成に寄与するとともに、環境にやさしい建築・まちづくりに対する意識の高揚を 図ることを目的としている。
対象となる建築物は、条例第15条に基づき届出のあった建築物のうち、?環境配慮への取組が優れている ?原則として表彰前年度及び前々年度に完成したもので、国又は大阪府が設置監理する建築物(PFI事業等 物件含む)は除く ?条例第17条に基づく工事完了届けが出された建築物で、建築基準法に定める検査済証 が発行されていないものを除く。
表彰は、建築主と設計者を対象に行い、賞は大阪府知事賞と優秀賞、特別賞の3種類。知事賞は1点、優秀賞 は5点程度、特別賞は必要と認めた数とし、建築主に対しては賞状と副賞として建築物に設置する銘板が、設 計者には賞状が贈られる。
審査・選考は、条例に基づき設置された「大阪府建築物環境配慮制度推進委員会」が、大阪府建築物環境配慮 指針に定めるCASBEE評価及び府の重点評価の内容、特筆する取組内容等について総合的に評価・選考を 行い、その結果を踏まえて知事が決定するとしている。
また、各賞において相応しいものがないとときは「該当なし」となり、当面は、建築物を創るときの環境配慮 への取組が対象となるが、今後は建築物を使うときの省エネルギー等への取り組みも対象とする予定。なお、 事務局は大阪府住宅まちづくり部建築指導室に設置する。
委員会のメンバーは次の通り。
▽相良和伸・大阪大学大学院教授(委員長) ▽近本智行・立命館大学助教授(委員長代理) ▽岡晴敏・NPO法人大阪府民環境会議理事 ▽結城恭昌・社大阪建築士事務所協会専務理事 ○ サステナブルとは、「持続可能な」との意味。条例に基づく建築物環境配慮指針では、建築主に 建築物の室内環境の向上や省エネルギー、省資源と資源循環、長寿命化、環境負荷の低減等への 配慮を求めており、持続可能な社会の構築を目指していることから、「大阪サステナブル建築賞」 とした。