
免震ビルでは日本一の高さの分譲マンション ―――竹中工務店の設計・施工 免震構造の建築物としては日本一の高さとなる「シティタワー西梅田」(大阪市福島区 福島7−20−18)がこのほど完成した。住友不動産(本社・東京都新宿区、高島準司社 長)と新日鉄都市開発(本社・東京都中央区、正賀晃社長)が建設を進めていた超高層 マンションで、RC造一部SRC造地下1階地上50階建て、高さ177mの規模。設計・ 施工は竹中工務店が担当した。 ※写真:シティタワー西梅田
シティタワー西梅田は、JR大阪駅から徒歩12分、福島駅からは5分という立地を誇り、大阪の都市再生の期 待がかかる大阪駅北地区(北ヤード)をはじめ、再開発計画が進展する梅田地区の新しいランドマークとして の期待を集めている。 建物は、3,137.71?の敷地に、RC造1部SRC造地下1階地上50階建て、建築延床面積5万2,740.13?、総 戸数349戸の規模で建設され、高さ177mは、免震構造を採用した建物では日本一の高さを誇る。 免震構造は、免震装置として高減衰ゴム系と天然ゴム系の積層ゴムを計14台、2種類の軸性すべり支承台計12 台を地下に据付けたもの。これにより阪神大震災と同等の震度七クラスの地震の揺れを、震度四クラス程度に 軽減。また、建物中央部分に背骨(バックボーン)となる「口ノ字型」断面の耐震壁を柱と分離して配置する 「バックボーンチューブ構造」を採用することで、一部で無柱空間を確保した。 外観は、カーテンウォールにより覆われ都会的なフォルムを創出し、住居は、1LDKから3LDK+Nまで の各タイプでオール電化を採用。バルコニーを極力廃し、床から天井までの大型サッシ「ダイレクトパノラマ ウィンド」を採用して、超高層ならではの眺望と開放性を確保し、ゆとりのある居住空間を創出している。 また、1階と9階にエントランスを配したダブルエントランス方式を採用。1階グランドエントランスは2層 吹き抜けの空間とし、9階のスカイエントランスにはシャトルエレベータで直結。ここでは総ガラス張りのオ ーナー専用の空間として、24時間365日対応のコンシェルジュサービスが実施される。 一方、安心・安全生活を実現するセキュリティについては、1階に防災センターを設置するとともに、9階ス カイエントランスに管理スタッフが24時間体制で常駐。また、モニター付きオートロックシステムを更に進化 させたダブルオートロックシステムと、2つのエントランスにもオートロックを備えたほか、エレベータの運 行制御と玄関の四重のセキュリティで万全の体制を備えている。 工事は、2004年8月に着工し、昨年12月に竣工した。設計・監理は竹中工務店1級建築士事務所、施工は竹中 工務店の担当。マンション販売は住友不動産と新日鉄都市開発が行う。なお、バックボーンチューブ構造は、 住友不動産と竹中工務店の両社で特許出願中。