都市再生への弾み 大阪駅改築・新北ビル建設2011年完成 大阪の都市再生、関西の活性化を担う民間主導による大型プロジェクトが大阪 市内で着実に進展している。大阪・キタでは、JR西日本が大阪駅改築工事を 中心に三越を核店舗とする地上28階建て新北ビル建設を10月から本格化させ る。また駅東側では、阪急電鉄が阪急百貨店梅田本店が入居する地上12階建て 梅田阪急ビルを、地上41階建て超高層ビルへ建替える。駅西側では、サンケイ ビルと島津商会が全面ガラス張りの地上34階建てジェントルビルの新築工事 を着々と進めている。一方、大阪・ミナミでは、なんばパークスの南側で、オ リックス・リアルエステートら4社が2007年8月の竣工に向けて、地上46階建 て超高層マンションの建設を進めている。大阪の新たなパワーを呼び込む大型 プロジェクトを整理してみた。
【図上:JR大阪駅改築工事・巨大ドーム内観パース】
【図下:新梅田阪急ビル完成予想】
〜梅田阪急建替え41階ビルに全面ガラスジェントルビル〜 JR西日本の施行で大阪駅の改築工事が進んでいる。「駅中央部の線路上空に橋上駅舎を新設して、その駅ホ ーム上に巨大ドーム設置のほか、線路の変更、高架下コンコース改良、バリアフリー設備の拡充などを施す」 内容。設計はJR西日本コンサルタンツ。施工は大林組・大鉄工業・竹中工務店・銭高組・淺沼組・奥村組J V。2011年春の完成。巨大ドームの竣工は同年冬。総事業費は550億円。 同駅の改築工事で目玉となる新北ビルは、線路使用形態の見直しで現在の10、11番のりば跡地に、S・SR C・RC造地下3階地上28階建て延べ約21?規模の高層ビルを建てるもの。三越が出店するほか、松竹と東 宝、東映の三社が運営する近畿圏最大級のシネマコンプレックスなどで構成。設計は日建設計。施工は大林 組・大鉄工業・竹中工務店・銭高組・淺沼組JV。10月の着工、2011年2月の竣工。工事費は650億円。 また駅東側では、阪急電鉄が阪急百貨店梅田本店が入居する地上12階建て梅田阪急ビルを、老朽化に伴う建物 の機能更新などを目的にS造(地下部=SRC造)地下2階地上41階建て、高さ約187m、延べ約25万2,000 ?規模の超高層ビルに建替える。地下2階から13階まで阪急百貨店、14階以上がオフィス棟。設計は日建設 計。工事は2段階施工で大成建設。2011年春の開業めざす。 駅西側では、大阪サンケイビル跡地(北区梅田2)で、ビジネス・ショッピング・エンタテイメントの3つの 都市機能を備えたSRC造地下3階、S造地上3階建て、延べ8万4,741.7平方?を誇る全面ガラス張りのジ ェントルビル新築工事が進んでいる。施主はサンケイビル、島津商会、設計は三菱地所設計、ビルデザインは ドイツ人建築家のクリストフ・インゲンフォーフェン氏。施工は鹿島。ワンランク上の生活の実現に向けた活 動拠点と位置付けて、2008年7月の竣工めざす。 〜超高層 ザ・なんばタワー〜 一方、南海電鉄・難波駅に隣接するなんばパークスの南側では、都心志向家族や単身キャリア女性、セレブら を対象とした超高層マンション「ザ・なんばタワー」を、オリックス・リアルエステート、南海電鉄、三洋ホ ームズ、総合地所が共同開発している。マンションはRC造地上46階建て、344戸、延べ3万8,771.43平方? の規模。設計監理を大林組、設計監修を浅井謙建築研究所が担当した。施工は大林組・南海辰村建設JV。 2007年8月の完成。総事業費は100億円超を見込む。