府警と相互協力で合意 大阪府では、公共工事などからの暴力団排除に関する協力体制につて大阪府警 察本部と合意し、3月31日に大阪市内のホテルで合意書調印式を行った。府が 発注する「あらゆる調達契約」からの排除を徹底するため、府と府警相互の連 絡協議体制確立の合意書を締結したもの。調印は、大阪府契約局の上田博局長 と熊本倫章刑事部長とで取り交わされた。
【写真:合意書に調印する熊本部長(左)と上田局長】
《下請け契約禁止、報告義務付ける》 府の暴力団排除方策はこれまで、大阪府建設工事暴力団対策措置要綱に基づき対策会議を設置し、同会議が定 めた排除項目により全庁の建設工事からの排除を目指していた。しかし建設コンサルタントや委託役務、物品 その他の契約は対象外で、随意契約では規定もなく、また暴力団の参入手口も巧妙化し、工事への不当介入を 招いていた。 このため府では、あらゆる調達契約から暴力団を排除する総合的なシステム構築のため、昨年4月の契約局設 立と同時に府警本部と連携しながら検討を進めていたもので、今回、措置要綱等を改正し、適正な暴力団排除 を推進するため、本年3月31日付けで府と府警との間で暴力団情報提供にかかる合意書の締結に至ったもの。 改正の要点は、暴力団等対策会議設置要綱の制定による「大阪府暴力団等排除対策会議」の設置と、暴力団等 排除措置要綱の制定と契約約款等の整備で、これにより、府発注のあらゆる調達契約から暴力団排除が可能と なり、暴力団との親密交際及び下請契約禁止など、排除項目が拡大。また、契約約款に解除項目及び違約金条 項を規定し、受注業者に対する不当介入事案の報告を義務付けた。 調印式は13時30分から行われ、契約局と 大阪府警から担当者が出席。調印に先立ち、上田局長と熊本刑事部長がそれぞれ挨拶した。上田局長は、入札 契約制度の適正化の柱の一つとして「全ての契約からの排除を目指し、府警と協力して新システム構築に取り 組んできた」とし、今回の合意により「行政と警察が一体となった総合的な取り組みは他に例がなく、これに よりスクラムを組み反社会的勢力に対処したい」と決意を語った。 熊本刑事部長も、バブル崩壊後、「暴力団による公共工事への参入は跡を絶たない状況だ」と指摘し、公共工 事での公平性や公正性を維持する仕組みは必要であり、府民も期待しているとし「今回のシステムが機能し、 初期の目的が達成できるよう期待する」とその成果に期待を寄せた。この後、上田局長と熊谷刑事部長がそれ ぞれ合意書にサインし、調印後は固い握手を交わした。調印後、上田局長は、「府警本部の強力な支援の下、 あらゆる契約から暴力団を一掃する固い決意で対処していきたい」とコメントした。契約局によると1987年か ら2002年まで55件の排除事例があったとしている。 合意書の骨子は、暴力団排除措置要綱の定める?暴力団員が経営又は経営に事実上参加?不正に利益を得る又 は債務履行の強要のために暴力団員を使用?暴力団員に対して不当に利益を供与?暴力団員と親密交際するな ど社会的に非難されるべき関係を保持?これら?〜?に該当する業者と知りながら下請契約又は原材料購入契 約等を締結ーに該当する入札参加者を排除するため相互に照会、回答又は通報する体制確立に関してのもの。