(社)大阪建設業協会の淺沼健一会長は2月24日、大阪市内で記者会見を開 き、2006年度の協会運営に関する方針並びに建設業を取り巻く諸問題について の見解を述べた。同日に開かれた同協会定時総会で会長再任を受けてのもの で、会見で浅沼会長は、「法令遵守を徹底させ、業界の信頼回復を図りたい」 と強調、それによる社会的評価の向上を目指すこととした。会見には田中宏副 会長も出席した。
【写真右が淺沼会長、左が田中副会長】
会長再任にあたり淺沼会長は、前期2年を振り返り、「就任時とは状況が大きく変化した」と感想を述べ、次 期2年についても「いろんな事が起こると思うが、建設業が基幹産業であることは変わらず、業界の地位向上 を訴えていきたい」と抱負を語った。田中副会長は、「大変な時期だが、業界の明るい未来を目指して会長を 補佐し、力を発揮できればと思う。また会員の多数を占める中堅・中小会員の代弁者としての役割を担いた い」とした。 《入札制度改革への理解促進》 淺沼会長は、今年度の協会運営にあたり「コンプライアンスの遵守」と「入札契約制度改革への対応」を挙げ た。コンプライアンスの遵守は、全国建設業協会での議論を踏まえ、「法令を遵守した上でなければ社会に対 して発言できない」とし、公共事業への要望活動等が行えないーとの見解を示し、入札制度改革の対応では、 「上手く対応しないと発注者・受注者とも混乱する恐れがある」と述べた。 入札制度改革については私見としながら「総合評価方式や一般競争入札の拡大など入札制度の改革が進む中、 我々業界が意見具申をしなければ、業界企業が疲弊し、発注者側も混乱する」と誤った運用へ懸念を示した。 浅沼会長は、「何時終わるのか、いくら係るか判らない公共事業が横行する」と、自身が体験した海外での一 般競争入札を例に上げ、「これらを防ぐのが現在行われている改革であり、これを会員企業が正しく理解する ために徹底させるのが会長としての役目だ」とした。 入札制度に関しては、運用上のポイントと総合評価方式に対する評価体制上での在り方で中央と地方の格差に ついての質問があった。これに対して浅沼会長は、「一般競争入札の参加者は技術と経営に優れた企業」とす る公正取引委員会の見解を示しながら、「価格ではなく技術競争を重視した制度」を上げ、その枠の「絞込み がポイントだ」と強調。また田中副会長も、中小業者の関心事は「技術力をどこまで買ってくれるかだ」と し、現在の経審制度では、財務力などにウエイトがかかりすぎていると指摘した。 《総合評価方式 支援機関設置がカギ》 総合評価における中央と地方の格差について淺沼会長は、特に市町村レベルでの発注に関し「発注者支援機関 又は第三者機関が鍵」とし、全建が主張する「甲でもない乙でもない丙の民間機関の設置」を上げた。官民出 身の技術者らが、発注から竣工までをトータルに支援するアドバイザー的機関を官民相互が「育て上げていけ れば」と期待を寄せた。 このほか、会員数の減少問題については、「危惧はしている」としながら、協会には永い伝統と歴史があり、 やみくもに数を増やすことはしないと、「明治以来の協会の理念に賛同する企業であれば入会を認める」との 立場を明確にした。また耐震偽装問題に関する質疑では、「偽装は設計図書の問題。我々はきちんとした設計 図書を渡され、その通りに仕上げるのが仕事」と役割の違いを上げ、コメントは差し控えた。
