国幹会議で決定「どうなる第二名神・見直し区間」 当面、着工は先送り 高速道路の未整備区間を審議する第2回国土開発幹線自動車建設会議(国幹会 議、国土交通相の諮問機関)が7日、東京都内のホテルで開かれた。対象とな ったのは、第二名神の抜本的見直し区間として指定された大津JCT 城陽区 間25?と八幡 高槻第一JCT区間10?など、全国19路線1,975?。第二名神 の見直し区間は、必要性は理解されたものの、採算面でまだ課題があるとし て、「当面、着工は先送り」となった。北側国交相は、これを受けて14日まで に正式決定する。
《沿線各都市、建設促進を強く要望》 第二名神高速道路(近畿自動車道名古屋神戸線)は、名古屋市を起点として、愛知、三重、滋賀、京都、大 阪、兵庫の各府県を結び、神戸市に至る延長約174?。このうち西日本高速道路(株)が担当しているのは滋 賀県・甲賀土山から西側の108?で、現在、28?で工事を実施している。 高速道路の建設は、従来の施行命令方式から、国土交通大臣が会社と協議した上で指定、そして会社と保有・ 債務返済機構と協議して協定を結び事業を実施していく方式に改められた。西日本高速道路(株)も、こうし た手続きを踏み、できるだけ早期に建設に着手したい考えを示している。 問題となっているのは採算面で、今回の審議でも大きく取り上げられた。2003年12月に開かれた国幹会議では 25%のコスト削減が決定された。これに対して第二名神の見直し区間は、現在、1兆600億円から6,800億円へ コストを削減。本紙の取材でも、西日本高速道路(株)は「削減率は36%、前回の会議で示された25%を上回 っている。2033年の償還は十分可能」と話している。 また、国幹会議に先だって国土交通省がまとめた地方公共団体の意見としても、大津JCT〜城陽区間、八幡 〜高槻第一JCT区間について「第二名神高速道路は、我が国の国土軸として国が整備をするとしてきた道路 であり、第二京阪道路や京奈和自動車道、京都縦貫自動車道などと高速道路ネットワークを形成することによ り、関西圏や京都府にとっても、将来を担う重要な道路である。また、現在、日本の物流を支えている名神高 速道路が、地震や事故で通行止めになった場合には、信頼性の高い代替ルートとして、大きな役割が期待され ている。さらに、第二名神の整備を前提に、すでに大きくまちづくりを進めている沿線市町にとっては、欠か すことのできない道路である。抜本的見直し区間を含む第二名神高速道路全線を高速道路(株)整備する路線 に位置づけ、早期に整備されたい」、大津JCT〜城陽区間は「特に本区間の沿線では、地元で面的整備計画 の計画も進んでおりコスト削減や円滑な設計協議のためにも速やかに計画調整に取り組まれたい」と強く建設 促進を要望している。
【写真は、近畿の高速道路ネットワークの要として、大きな期待が寄せられている第二名神(甲賀市土山町付 近)】