「市営住宅ストック総合活用計画」に基づき建て替え事業 鮮やかな変貌を遂げた都市型高層住宅で快適ライフを満喫―。住宅地区改良事 業による住環境の整備を大阪市内の中央部に位置する浪速区日本橋の4地区に おいて推進している大阪市が、その一環として日東住宅地区(大阪市浪速区日 本橋東3丁目)で進めていた日東住宅第2期建設工事によって鉄筋コンクリー ト造14階建て、延べ床面積1万663.26?の「大阪市営日東住宅2号館」が完成 し、1月10日から入居が始まった。 高齢者をはじめとするすべての入居者が、安全・安心・快適に暮らせる人にや さしい住環境を創出している2号館の総戸数は154戸で、施工はコーナン建設 (株)が担当。近隣住民に対する迷惑防止などに最大限の努力を払いながら安 全第一に工事を推進し、高品質を確保した。 「魅力ある大都市居住の実現」に大きな一石を投じる建て替え事業。大阪市で は、約10万戸におよぶ既存の市営住宅ストックを良好な社会資本として有効に 活用していく指針となる「市営住宅ストック総合活用計画」に基づきながら、 老朽化した市営住宅の建て替え事業を計画的に推進しており、安全で快適な居 住環境を創出していく。
《住宅地区改良事業で良好な環境を形成》 一方、大阪市では、住宅地区改良事業による住環境の整備を大阪市内の中央部に位置する浪速区日本橋の4地 区(関谷地区・日東住宅地区・北日東地区・下寺地区)において進めており、居住水準の向上や良好な住環境 の整備を図っていく。この地域は、東京の秋葉原と並ぶ家電専門店街「でんでんタウン」に隣接する店舗・事 務所・住宅の住・商混合地区で、南大阪のターミナルである難波および天王寺にも近接するという交通至便な 立地条件を有している。 このため、商業・業務機能の維持・増進と、都心居住地区としての良好な環境形成とを一体的に推進すること が求められている。しかし、その一方では、昭和初期に建設された鉄筋の市営住宅ならびに戦後すぐに建設さ れた木造の市営住宅がこの区域には多数存在していることから、これらの住宅の建て替えを柱とするまちづく りが永年の懸案となっていた。 こうした背景の下、大阪市では、日本橋一帯の総合整備事業として、1988年から関谷地区の事業に着手。現在 も日東住宅地区、北日東地区、下寺地区において改良事業を進めている。 《安全・安心・快適な都市型高層住宅へと変貌》 住宅地区改良事業による住環境の整備によって鮮やかな変貌を遂げた「大阪市営日東住宅2号館」は、大阪市 営地下鉄堺筋線「恵美須町」駅から至近距離の大阪市浪速区日本橋東3丁目に位置しており、1月10日から入 居が始まった。 従前の建物は、1932年に建設された鉄筋コンクリート造3階建ての住棟(5棟)によって構成される総戸数 260戸のもので、老朽化が進むとともに、設備面などについても今日の居住水準と比べて劣っていた。 安全・安心・快適な都市型高層住宅として生まれ変わった「大阪市営日東住宅2号館」の構造規模は、鉄筋コ ンクリート造14階建て、延べ床面積1万663.26?。戸数は、3DK102戸、2DK52戸の合計154戸で、家族構 成などによって選別できるオーソドックスなタイプを揃えている。 その工事は、2003年6月に着手した準備工事を経て9月から本格化。「建設工事における各プロセスでの不適 合の防止に努めながら顧客満足の向上を目指し、良い建物を提供する」というコーナン建設(株)方針に基づ いて安全第一に進められた。 打ち継ぎ部をなくすため、ポンプ車2台によってワンフロアを1日で打設したので、現場における単位水量チ ェック、スランプ試験などを入念に行うなどして密実なコンクリート打設に努めるなどして高品質を確保した コーナン建設(株)では、現場の周辺に大阪市立日東小学校・幼稚園のほか、旧愛染橋病院があったことを考 慮し、第三者災害の防止に全力を傾注。 また、近隣に対する工事期間中の迷惑防止にも万全を期して理解と協力を得るなど、地元に溶け込んだ施工を 展開して多くの関係者ならびに入居者から寄せられていた全幅の信頼に応えた。
【写真上は日東住宅2号館の外観、写真下はダイニング・キッチン】