来年度はリニューアル事業が中心に 公共工事を取り巻く状況は依然として厳しいものがある。このため国をはじめ各地方自 治体では、PFIなどの民間活力を活かした事業手法を導入するとともに公共工事品質 確保促進法の施行に伴う新たな入札・契約制度の採用などの試みも始まりつつある。こ れらの現状について、大阪府建築都市部の阪倉嘉一部長に府の取り組や来年度の見通し などを聞いてみた。(渡辺真也)
――今年度の事業の主な経過を。 「今年度は地球温暖化などの環境対策として、建築物の環境配慮などを盛り込んだ温暖化防止条例の制定と建 築物やその敷地の緑化を義務付ける自然環境保全条例の改正が行われました。これらの制度を通じ、環境部局 とも連携を図りながら環境に配慮したまちづくりに努めていきます。また環境関連では、ESCO事業もあり ます。今年度は府立体育館と青少年海洋センターで提案公募を致しました。これらの施設では指定管理者制度 も採用され、公共施設の管理とエネルギー改修を民間事業者が行う新たな試みとなります」 ――府営住宅の整備ではPFI的な民間手法の活用が目立ちます。 「今年は筆ヶ崎住宅でコンペを実施致しました。基本的には来年度以降も府営住宅建替えのスピードアップの ため、これらの手法を活用していきます。また新たな試みとして、水と緑の健康都市で、土地区画整理事業と まちづくりのPFIをを全国で初めて実施しました。公共建築でのPFIでは今後、警察金岡単身寮や消防学 校、精神医療センターなどの実施を予定しています」 ――事業的には来年度も新規よりはリニューアル、更新事業が中心になる。 「公共建築では、今後も既存施設の更新が主体となります。施設の建て替えや修繕を進めるにあたっては、P FIの活用など民間のノウハウや資金の活用も行いながら実施したいと考えております。また府営住宅の建替 えについては、年間1,600戸に民活手法によるプラスアルファを加え、円滑な更新を着実に進めていきます」 (2)につづく