大阪都心部のまちづくりが熱い。梅田地区は、JR大阪駅改築工事を中心に 三越が入居する新北ビル建設、阪急百貨店本店建替え、大型商業ビル建設な ど、流通業界からの熱い視線が注がれる大型プロジェクトが目白押しだ。
また、大阪経済活性化の焦点となる梅田北ヤードの大規模開発も実現に向け て着々と進展している。いずれも都市再生緊急整備地域の指定区域であり、 どれも広域から消費者を呼び込むのが狙い。大阪の新たなパワーを発揮する 大型プロジェクトを整理してみた。
【写真:梅田地区の現況】 JR西日本の施行で大阪駅の改築工事が進んでいる。「駅中央部の線路上空に橋上駅舎を新設して、その 駅ホーム上に巨大ドーム設置のほか、線路の変更、高架下コンコース改良、バリアフリー設備の拡充などを 施す」内容。施工は大林組・大鉄工業・竹中工務店・銭高組・淺沼組・奥村組JV。総事業費は550億円。 同駅の改築工事で目玉となる新北ビルは、線路使用形態の見直しで10、11番乗り場跡地に総延べ20万?規 模のビルを建てるもの。三越が出店するほか、松竹と東宝、東映の3社が運営する近畿圏最大級のシネマコ ンプレックス、コナミスポーツクラブの大型フィットネス施設などで構成される。基本設計は日建設計。 2006年秋の着工、11年春のグランドオープン。 一方、駅東側を見ると、阪急電鉄が阪急百貨店梅田本店が入居する地上12階建て「梅田阪急ビル」を、S 造地下2階地上41階建て延べ約25万2,000?規模の超高層ビルに建替える。地下2階〜13階まで阪急百貨店、 14階以上がオフィス棟。建替えは老朽化に伴う建物の機能更新などが目的。設計は日建設計。工事は2段階 施工で大成建設が担当。11年春の開業をめざす。 駅北東、阪急「梅田駅」の隣、茶屋町東地区約0.7haでは、地元住民らが大型商業施設を建設する。SR C・RC・S造地下2階地上9階建て延べ3万3,500?の再開発ビル。基本設計は環境開発研究所、実施設計 は日本設計。総事業費は約99億円。 また駅北側、梅田貨物駅用地(約24ha)で再開発される梅田北ヤードの動向を見ると、地区内の先行区域 で大阪駅北深東地区土地区画整理事業(約8.6ha)を進める都市再生機構が昨年6月24日に国の事業認可を取 得し、10月29日に着工した。大林組や竹中工務店らゼネコン各社も、情報収集などを目的に専門部署を設置 するなど、注目度は高い。 (記者の目)都市再生は大きな課題だ。民間の大型プロジェクトを的確に捉えて、大阪市も経済活性化に 向けた施策を積極的に進めていくべきではないか。 (池上健史)