環境に優しい半導体工場を短期間で設計・施工
~シミュレーション技術で提案営業を強化~
清水建設(株)<社長 宮本洋一>はこのほど、環境に優しい半導体工場を短期間で設計施工できるシミュレーション技術を確立、今後、提案営業の差別化技術として全国の半導体工場案件に展開します。これにより、施工段階での省資源化、運用段階での省エネ化、設計施工期間の短縮を一層推進し、環境と時短に対する発注者の強いニーズに応えます。
核となるシミュレーション技術は、配管の総延長の短縮、エルボー数の削減、干渉防止、設計施工期間の短縮を図る「ファブ・プランニング・シミュレーション・システム(FPS)」と、半導体生産装置の省エネを図る「ファブ・エネルギー・シミュレーション・システム(FES)」です。
FPSは、建築および設備(配管)の設計図と半導体装置の配管情報を統合した3次元CADです。半導体工場で稼働する各種生産装置は、メイン装置とこれをサポートする付帯装置に分かれており、メイン装置を上層、付帯装置を下層に設置する2層構造が採用されています。設置する装置は100種類以上、メイン・付帯の両装置に接合する配管だけでも多いと100本以上になるうえ、動力配管、排気ダクト、電気配線などを合わせると配管の総延長は数万kmにもなり、それらが3次元で複雑に錯綜するので、設備のルート計画は容易ではありません。そこで、FPS上では、設備設計者がシミュレーション用にモデル化された各種装置を3次元の空間に配置しクリーンルーム稼働時の装置レイアウトを再現したうえで、配管スペックを参照しながら省資源化と干渉防止、高効率化を図る設備ルート計画を提案できるようにしました。
一方のFESは、半導体の生産工程に沿って待機・始動・停止を繰り返す各生産装置の秒単位のエネルギー消費特性を踏まえて、パソコンの画面上で時々の需要総量とエネルギー消費している装置を“見える化”するものです。半導体工場では多くの生産装置が同時稼働し、それぞれエネルギー消費特性が異なり、かつ生産ラインが何ルートにも分かれていることから、生産工程の実態に即した形でエネルギー需要総量をリアルタイムに予測するのは容易ではありません。そこで、FES上では、設備設計者がパソコン画面上で、生産工程と生産ラインに投入する物量を調整し、かつ所定の生産効率を維持しながら、電力や各種エネルギーのピークカットを図る生産計画を提案できるようにしました。
従前もFPSとFESのプロトタイプのシステムを操作して各種事前検討を行っていました。ただ、その操作には設備技術者の知見を多く要していたことから、そうした知見をシステムのプログラムに反映し、技術者の経験を問わず非常に高度で画一的な解が得られる完成度の高いシステムがFPSとFESです。
以上
≪参考≫
FPSのメリット
配管のルート計画を最適化できるので、従来に比べ設備配管の総延長を20%程度、プロセス配管のエルボー数(曲点)を40%程度削減できます。配管総延長の削減は建設時の省資源化と工費・工期の削減、曲点の削減は生産装置の運転効率アップや歩留まり向上による生産コストの削減に貢献できます。
建築設計と設備設計を平行して進めることができることや、配管総延長の短縮、設備配管の干渉の事前防止により、設計施工期間を短縮できます。
クリーンルーム内の配管が全て3次元CADの中で再現されており、施工途中もしくは竣工後に配管やダクト等の追加変更工事が生じても、現地調査等が不要なため、追加変更工事の設計期間を80%程度短縮できます。
FESのメリット
各生産装置の経時消費電力の見える化が進み、半導体工場全体としての経時電力需要を的確に把握できます。これにより、適切な契約電力を求めることができるので、従来に比べ契約電力を20%程度削減できます。
半導体工場については、景気変動により、数年レンジで新築、改修、廃止などが繰り返されます。こうした工事の受注には、「環境」と「時短」に関する技術提案力が鍵を握ります。このため当社は、FPSならびにFESを全社展開し、提案営業の差別化を図っていく考えです。 清水建設(株)
http://www.shimz.co.jp/
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