トグル制震補強構法の地震時の挙動を再現した動的加振実験の実施
-集合住宅を主とした架構増設型補強構法の補強効果の検証-
飛島建設株式会社(社長:伊藤寛治)は、大阪大学倉本教授の技術指導のもと、同社の保有する制震技術である「トグル制震装置(以下、トグル)」の動的加振実験を行い、架構増設型のトグルの地震時の有効性を確認しました。実験は、事例のほとんどない約1/2スケールという大きな規模で、地震時の挙動をより詳しく把握できる動的加振により行いました。
架構増設型の補強構法は、一般的に耐震補強が困難とされている建物(例えば集合住宅)の外付け制震補強を想定して、既存建物とトグルを設置した補強架構を水平コンクリート版で連結した補強形式としています。
架構増設型補強構法の有効性については、要素実験(トグル、アンカー、スラブなど)や解析的な検証では有効に作用することを検証してきましたが、このような規模・加振方法で行われた実験はこれまでほとんど例がなく、このような実挙動を忠実に再現した実験においても、トグル制震構法の有効性が証明されました。集合住宅など耐震補強が必要な建物をお持ちのお客様への、安全・安心のご提案に活用していきたいと存じます。
〔写真1 実験状況写真〕
<架構増設型トグル制震補強工法とは>
集合住宅のように建物にバルコニーや廊下があると、耐震補強を行う時に、既存建物の柱や梁に補強部材を直接接合することができないケースがあります。架構増設型トグル制震補強は、バルコニー、廊下の外側に補強架構を設置できる構法です。バルコニー、廊下を撤去する必要がなく、また外側での工事が主体になるため居住しながらの施工が可能です。
図1に架構増設型トグル制震構法による補強例を示します。トグル制震装置を組み込んだ補強架構を、廊下に干渉しない外側の位置に設置し、既存梁と補強梁を増設スラブで繋ぐことで建物との一体化を図っています。通常、補強架構の柱は鉄骨造、梁は鉄骨又は鉄骨鉄筋コンクリート造とし、既存建物と補強架構とを22cm~30cmの厚さの鉄筋コンクリート増設スラブにより接続します。
〔図1 架構増設型トグル制震構法による補強例(10階建て集合住宅)〕
図2にトグル制震装置の摸式図を示します。ここで使用するトグル制震装置とは、“てこ”の増幅作用を応用したトグル機構により、地震時に生じる層間変形(図2(A)部)を2~3倍に増幅してダンパーに伝え(図2(B)部)、効率よく地震のエネルギーを吸収することができる制震装置です。
〔図2 トグル制震装置(摸式図)〕
<動的加振実験による検証方法>
飛島建設(株)
http://www.tobishima.co.jp
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