放射性物質汚染土壌の汚染濃度を最大94%低減
~超音波洗浄が威力を発揮~
清水建設(株)<社長 宮本洋一>はこのほど、放射性物質汚染土壌から効果的に汚染物質を除去する新たな分級・洗浄システム「シミズ放射性物質汚染土壌洗浄システム」を開発、福島県内の小中学校の校庭土壌を用いた実験で汚染濃度を最大94%低減できることを確認しました。システムの特徴は、汚染物質の除去効果を高めるために、超音波洗浄を行うことです。
本年1月1日に施行された放射性物質汚染対処特別措置法にもとづく土壌の除染作業により、東京ドーム23杯分に相当する約2,900万m3もの汚染土壌が発生する、という試算結果が環境省より発表されています。このため、汚染土壌の仮置き場及び中間貯蔵施設のために莫大な用地が必要になることから、汚染土壌の浄化・リサイクルによる減容化が強く求められることは明らかです。こうした社会ニーズに応えるために開発したのが、シミズ放射性物質汚染土壌洗浄システムです。
汚染物質のセシウムは、粒径の細かい微粒子や粗粒子の表層に吸着しやすく、洗浄しても容易には溶出しない、という特性があります。そこで、新システムの開発では、微粒子を除去する従来の分級・洗浄システムをベースにし、粗粒子から表層を剥離させる新たな洗浄方法を開発・付加することを基本方針としました。新たな洗浄方法については、セシウムが溶出しにくいことから、擦りもみ、衝撃破砕、超音波洗浄などの想定しうる物理的な分離方法を検討。その結果、超音波洗浄が最も剥離効果が高いという結論に達したものです。
当システムによる洗浄は、分級処理、洗浄処理、超音波処理の順に進みます。具体的には、まず分級処理において、篩(フルイ)・サイクロン装置に土壌を入れて微粒子を粗粒子から分離します。続く洗浄処理では、微粒子分離後の土壌を洗浄槽の中で擦りもみ洗いすることで粗粒子表層に付着した微粒子を分離。洗浄槽に起泡剤入りの薬液を加えて撹拌すると微粒子が気泡に付着して浮遊するので、それを回収します。そして最後の洗浄工程が超音波処理です。超音波を洗浄液に照射すると、微振動によって微細な気泡が発生・消滅を繰り返し、消滅時に生じる洗浄液の衝突が強い衝撃波を発生させます。この衝撃波が粗粒子表層を剥離させ、それを回収することで、一連の洗浄工程が終了します。
システムの除染効果は、土質によって異なりますが、例えば当初の汚染濃度が40,900ベクレル/kgと69,500ベクレル/kgの汚染土壌を除染したところ、それぞれ2,400ベクレル/kgと5,700ベクレル/kgに濃度を低減できました。つまり、除染効果は最大94%ということになります。本システムによる除染により、セシウム汚染土壌の仮置き量、あるいは中間貯蔵量を大幅に削減できることから、当社は早急にシステムを実用化し除染事業に貢献していく考えです。
以 上 清水建設(株)
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