東京に現存する三古塔のひとつ「椿山荘三重塔」の“平成の大改修”が完了
伝統建築を地震から守る耐震化の取り組み
竹中工務店(社長:竹中統一)は、椿山荘庭園(文京区関口)内にたたずむ「椿山荘三重塔」の耐震補強・改修工事を2010年9月から行ってきましたが、このたび完了しました。本工事は、1925年(大正14年)に広島県篁山竹林寺から移築した後、初めて実施した“平成の大改修”で、軒廻り等痛んだ部分の取替えや、屋根の銅板瓦を葺替えました。また当社では、伝統建築を地震から守る取り組みとして伝統建築の耐震化を行っていますが、今回、当社独自の「伝統木造建築用超塑性亜鉛アルミ合金制震ダンパー」を使用した耐震補強を行いました。
「椿山荘三重塔」は、旧寛永寺の五重塔(台東区上野)、池上本門寺の五重塔(大田区池上)とならび東京に現存する三古塔のひとつで登録有形文化財でもあります。
◇画像:椿山荘三重塔
【本工事の特長】
■構造補強
心柱(塔の中心を貫く太い柱)は継手長さが短く、不安定であったため、継ぎ手のない長いものに取替えました。また、初層、二層、三層の各層屋根部分には横繋ぎが少なく、井桁(柱の上に横に渡して建物の上からの荷重を支える部材で井字型に組んだもの)を追加し、架構を強固に補強しました。
また、隅木・隅尾垂木のみで支持されていた鉛直荷重を分散する機能も井桁に付与しました。
■外観・内観を変えずに制震補強
「伝統木造建築用超塑性亜鉛アルミ合金制震ダンパー」を初層と二層に計16 個採用し、本ダンパーを使用しない場合と比較して地震時の揺れを20%程度低減します。柱と柱盤(上層の柱を立てるために下層に置く幅の広い平らな部材)の接合部分に設置することで、長い歴史をもつ椿山荘三重塔の外観・内観を変化させることなく耐震性を向上させました。
◇画像:ダンパー取り付け後
【工事概要】
工事名称:椿山荘三重塔 平成の大修理
工期:2010年9月~2011年5月
住所:東京都文京区関口2-10-8
建築主:藤田観光(株)
設計施工:(株)竹中工務店
【椿山荘三重塔について】
椿山荘三重塔は、もともと広島県加茂郡(現在の東広島市)にあった篁山竹林寺に建立されたものです。
篁山竹林寺は、縁起絵巻によると平安期の歌人小野篁(おののたかむら)(802~852年)により創建されたとされ、三重塔は、従来、建築様式から室町時代末期の建立とされていましたが、今回の改修工事にあたり、年輪年代測定法で調査した結果、1420年頃(室町時代前期)の部材が使われていることが判明しました。椿山荘には、1925年(大正14年)、山縣有朋公爵より庭園を譲り受けた藤田組(創業者:藤田傳三郎)2代目当主・藤田平太郎男爵が移築しました。1945年(昭和20年)5月25日の空襲の際も、奇跡的にも三重塔は焼失を免れ、現在も椿山荘のシンボル的な存在となっています。
【当社の伝統建築耐震化の取り組み】
(株)竹中工務店
http://www.takenaka.co.jp/
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