550N/mm2級円形鋼管『P-385』を使用した超高強度コンクリート充填鋼管を実用化
当社はこのたび、550N/mm2 級円形鋼管『P-385』の内側に100N/mm2の超高強度コンクリートを充填したCFT柱(*1)の実証実験を実施・完了しました。これにより、『P-385』を使用した超高強度CFT柱の実用化に目処を立てました。
高層建築物においては、経済設計の観点から、鋼管内にコンクリートを充填し、強度を高めたCFT柱を採用する事例が一般化しています。近年では使用される鋼管及びコンクリートの高強度化が進んでおり、当社では2009年に、建築構造用550N/mm2 級冷間プレス成形角形鋼管『PコラムG385』に60N/mm2の高強度コンクリートを充填したCFT柱への適用実証実験を行いました。今回は、『PコラムG385』と同強度の円形鋼管『P-385』に、100N/mm2の超高強度コンクリートを充填したCFT柱の適用実証実験を実施しました。実験には、国内有数の大型試験機を使用することで、実大級の大規模試験体により構造安全性を確認しています。この超高強度CFT柱を使用することで、標準的な490N/mm2級の鋼管に60N/mm2のコンクリートを充填したCFT柱に比べて、鋼材重量を最大約3割低減することが可能となります。また、鋼材重量を増やさずに外径を約1割縮小することも可能となり、室内利用空間の拡大を実現することも選択可能となります。今後、主に超高層ビルを中心とした適用を提案していきます。
『P-385』は、当社のナンバーワン技術であるオンライン加速冷却装置Super-OLACR(*2)を活用して製造した厚鋼板を曲げ加工した建築構造用550N/mm2級円形鋼管(降伏強度385N/mm2以上、引張強さ550N/mm2以上、設計基準強度(F値)(*3)385N/mm2)であり、2003年に国内で初めて国土交通大臣認定(*4)を取得しています。同鋼管は、550N/mm2級の高強度でありながら降伏比85%以下、シャルピー吸収エネルギーは0℃で70J以上を保証するなど、耐震性や溶接性にも優れています。また、鋼材強度あたりの経済性(単価/鋼材強度)が建築構造用鋼管の中で最も優れており、鉄骨コストのミニマム化及び環境負荷の低減に貢献します。今回の実証実験により、『P-385』は超高強度CFT用に用途を拡大します。
当社では、耐震性・施工性に優れた建築構造用550N/mm2級鋼材として、円形鋼管『P-385』の他に、厚鋼板の『HBLR385、HBLR385-L』、角形鋼管の『PコラムG385』(株式会社セイケイと共同開発)を商品ラインアップに揃えています。角形鋼管『PコラムG385』の高強度CFTに加え、今回、円形鋼管『P-385』の超高強度CFT柱を実用化したことで、柱に角形鋼管が使用される整形な建物から、円形鋼管が必要となる複雑な形状の建物までCFTの適用範囲を拡大しました。
当社は、今後も、付加価値の高い建築建材商品の開発・適用範囲拡大に努めてまいります。
(*1)CFT Concrete-Filled-Steel-Tubeの略。
(*2)Super-OLACR 理論限界相当の高冷却速度、高精度冷却機能を有するオンライン加速冷却設備。JFEスチールのナンバーワン先端技術。第49回大河内記念賞受賞。
(*3)設計基準強度(F値)構造計算時に使用する鋼材強度。
(*4)国土交通大臣認定 建築基準法第37条に基づく国土交通大臣認定。
JFEスチール(株)
http://www.jfe-steel.co.jp/
*記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。