今宮工科高校の生徒が参加、竹中・大林JVの施工 (社)大阪建設業協会(奥村太加典会長)では、大阪府下の建設系学科の高 校生を対象とした現場見学会を16日、「近鉄不動産筆ヶ崎住宅新築工事作業 所」(大阪市天王寺区筆ヶ崎町6)で開催した。若年建設従事者の入職促進 事業の一環として、同協会労働委員会が主催したもので、第1回目の今回 は、府立今宮工科高等学校建築設計専科の2年生27人が参加した。 この工事は、敷地面積4,769.78?に、免震構造を採用したRC造37階建て塔 屋1階、建築面積1,246.27?、施工床面積3万1,658.39?の総戸数267戸の分 譲マンションを建設するもので、施工は竹中・大林共同企業体が担当してい る。 見学に先立ち、同作業所の石田和弘所長とスタッフから事業と工事の概要、 免震構造と設計上の特徴などについての説明が行われた。また、専門工事業 者を代表して竹中工務店の協力会である竹和会の堀江幹壽副会長が、専門工 事の業種と作業内容の説明を行い、「実際の仕事を見て、今後の勉強に役立 ててほしい」と挨拶、見学会の成果に期待を寄せた。
この後、石田所長らの案内により作業所内を見学。現場では、36階のフロア背筋工事や設備や内装工事など が行われている各階での実際の作業の様子、また、基礎部免震ピットでは積層ゴムとオイルダンパーの実物 を見て回った。見学会終了後には生徒代表が、「実際の工事を見ることで、授業とは違った体験ができまし た」と謝辞を述べた。 建物は、中央のエレベータを中心にコの字形に住戸を配置。24階には入居者のためのスカイラウンジを設け たほか、2階には駐車場、3階には来客用のゲストルームやキッズルーム、コミュニティホールなどが設置 される。また外観は、プレキャストコンクリート打ち込みタイル仕上げとしたが、タイルカラーは隣接する 府営住宅棟はもとより、周辺の住宅棟との調和を図るためブラウンとした。 構造では、基礎は場所打鋼管コンクリート拡底杭、躯体は中央のコアウォールと外周フレームで上部構造に 必要な剛性と強度を確保。免震装置では、天然系ゴム積層ゴムを4種類で計16基、弾性すべり支承を3種10 基とオイルダンパー4基を適正配置、これにより阪神大震災クラスの地震の揺れを4分の1程度に軽減す る。工事は、2007年4月に着工、躯体工事ではワンフロアを7日間ピッチで打ち上げいる。現在の進捗率は 65%で、これまで約29万6,000時間に及ぶ無事故・無災害記録を継続中。なお設計は竹中工務店、竣工は2009 年8月末を予定している。 同工事は、大阪府がPFI事業で実施した府営住宅民活プロジェクトで、府営住宅を高層棟に建て替えるこ とで敷地に生まれた余剰地をPFI事業者の付帯事業として実施されているもので、事業者は近鉄不動産を 代表企業に、関電不動産、総合地所、大和システムズのグループ。なお、府営住宅建て替え整備事業は、竹 中・淺沼JVが施工し、建設後に所有権を府に移転するBT方式。