県道改築事業5路線で 兵庫県では、県道の改築事業がもたらした道路整備効果の調査結果をまとめた。整備による効果や利用者、 住民の満足度等を出来る限り定量的に把握したもので、公共事業の投資が減少する厳しい状況の中、今後の 道路整備事業への理解を求めるために調査を実施したもの。県では、調査結果について、調査を行った5路 線別にパンフレットを作成、県民に広くアピールするとしている。 道路整備事業に関しては、「もう十分」といった批判や、身近な生活道路の改善、歩行者や自転車の安全性 に関する不満などの声が寄せられている。また昨年12月には、「道路特定財源の見直しに関する具体策」が 閣議決定され、兵庫県でも今年度より「新たな行財政構造改革推進方策の策定」に向けた検討が進められて いる。 今回の調査は、これら道路整備を取り巻く環境が従前にも増して厳しくなる中、道路整備がもたらす効果等 について検証し、限られた予算の中で今後も、重点的・効率的な道路整備が図られ、また利用者や住民の多 様なニーズに対応するために実施されたもの。調査は、2004年度から2006年度に完成した県道五路線を対象 に実施。各路線での整備前と整備後の違いについて、その効果や利用者や住民の満足度、意見を出来る限り 定量的に把握したほか、今後の要望などをアンケートにより調査した。 調査結果では、「道路が整備されてよかったかどうか」については、利用者・沿道住民とも、いずれの路線 においても「良かった」とする回答が大勢を占め、整備効果を評価。利便性については、通院や買物などの 「日常生活が便利になった」とした。また、幅員が広くなったことにより、「走りやすくなった」「大型車 のすれ違いに余裕ができた」「歩行者や自転車への危険性が減少した」などが上げられ、バイパス整備によ り旧道では、「交通量が減少した」「渋滞が少なくなった」との回答が寄せられている。 しかし一方では、バイパス道と連絡する道路においては、スピードの出しすぎや交通量の増加、渋滞の発 生、信号待ちが長くなったーなどの意見も寄せられ、やはり一部区間の整備だけでなく、つながりを持った 道路整備の必要性が指摘されている。 兵庫県では、これら調査結果を今後の道路整備事業において反映さるとともに、道路整備効果を多くの方々 にも理解してもらい、道路整備のあり方を議論してもらいたいとしている。なお、調査結果をまとめたパン フレットは、調査を実施した各土木事務所道路整備課と、県庁一号館の道路建設課で配付している。 調査実施路線は次の通り。(▽路線名=?調査主体?概要) ▽一般県道阿成姫路停車場線(姫路市飾磨区・中島阿成跨線橋) ?中播磨県民局姫路土木事務所 ?都市部における山陽電鉄との立体交差事業L700m(橋梁275m) ▽主要地方道姫路上郡線(姫路市からたつの市・槻坂トンネル) ?前同 ?市境界における狭隘トンネル解消等を目的としたトンネル新設事業L347m
▽一般県道周世尾崎線(赤穂市坂越 尾崎・尾崎トンネル) ?西播磨県民局上郡土木事務所 ?狭隘区間解消等を目的としたトンネルを含むバイパス整備事業L2,350m(トンネルL415m) ▽主要地方道宮津養父線(豊岡市から養父市・浅間トンネル) ?但馬県民局豊岡土木事務所 ?市境界における狭隘トンネル解消等を目的としたトンネル新設事業L365m ▽主要地方道養父朝来線(養父市建屋バイパス) ?前同県民局八鹿土木事務所 ?集落内の通過交通排除等を目的としたバイパス整備事業L1,820m