10月1日にオープン 初の事業団立特別養護老人ホーム移転整備で鮮やかに変貌 …………………………………………………………………… 地域の高齢者ニーズに応える総合福祉施設にふさわしい鮮やかな変貌を遂げ た―。社会福祉法人兵庫県社会福祉事業団が、丹波市の支援のもと、丹波市 市島町上竹田字中野23362において進めていた「丹寿荘」(鉄筋コンクリー ト造2階建て、延べ6,379.02?)の新築工事がこのほど完成し、10月1日に オープンを迎える運びとなる。
豊かな自然に囲まれた丹波地域初の特別養護老人ホームとし1976年5月に開設された「丹寿荘」の老朽・狭 隘化などを解消し、施設の居住性の向上と介護サービスの充実、地域支援機能の強化を図ることなどを目的 として推進したもので、事業団立の特別養護老人ホームとしては初めてとなる移転整備として注目を集めて いた。一方、その新築工事の施工を担当し、高品質に完成させたのは大豊建設?神戸支店。持てる高度な技 術力を駆使して多くの関係者から寄せられていた期待と信頼に応えた。 居住性の向上、介護サービスの充実 ………………………………………… 地域支援機能の強化などに寄与 兵庫県から委ねられている兵庫県立の社会福祉施設やリハビリテーション病院などの管理運営ならびに事業 団立施設の経営に取り組んでいる社会福祉法人兵庫県社会福祉事業団が設立されたのは1964年7月1日。以 来、自律ある社会福祉法人として、兵庫県とのパートナーシップのもと、福祉と医療に関する多様な機能を 発揮して、誰もが?地域で支え合い、自分らしく生きる?ことができる社会の実現をめざし、着実かつ果敢 にチャレンジを続けている。 それへの指針となる「兵庫県社会福祉事業団憲章」が制定されたのは2005年度。 ▽一人ひとりを尊重し、自らの意志と責任でその人らしい生き方ができるよう支援します▽総合的な地域ケ アのしくみを築き、福祉文化の創造をめざします▽ニーズを敏感にとらえ、先駆的な実践により社会に貢献 します▽福祉の心と高い専門性を育み、働きがいのある職場をつくります▽公正・効率的な組織運営と安定 した経営基盤を確立しますという理念の下、▽利用者本位のサービスの提供▽多様な福祉機能をもつ地域福 祉拠点の構築▽事業団らしさの発揮▽職員資質の向上▽経営基盤の確立―という5つの柱で事業を推進し、 「利用者本位の支援と主体的な自主経営」をめざしていく。 兵庫県と一体となって社会福祉事業の推進を図り、広く県民の福祉の向上と増進に寄与している兵庫県社会 福祉事業団が、現在、兵庫県下の49カ所において運営しているのは62施設。このうち、丹波市市島町の西方 に位置する閑静な高台にある「丹寿荘」は、1976年5月に丹波地方初の特別養護老人ホームとして開設され たもので、定員は特別養護老人ホーム50人、ショートステイ4人、デイサービス25人。利用者ニーズに的確 に応えるため、入居者一人ひとりを見つめた生活支援に取り組むとともに、食事サービスを実施するなど、 地域に開かれた施設づくりにも積極的に取り組んでいる。 しかし、経年経過に伴う建物や設備の老朽化ならびに狭隘化が進むなど、ニーズを満たすサービスの提供に 支障を来すことが懸念されるようになってきた。 このため、社会福祉法人兵庫県社会福祉事業団では、丹波市からの強い要請に応え、事業団立の特別養護老 人ホームとしては初めてとなる移転整備を行うことにより、施設の居住性の向上と介護サービスの充実、地 域支援機能の強化などを図ることとし、現在地から福知山方面に車で約10分に位置する丹波市市島町上竹田 字中野2336の?新天地?において「丹寿荘」の新築工事を推進した。 鮮やかな変貌を遂げた「丹寿荘」の構造規模は、鉄筋コンクリート造2階建て、延べ床面積6.379.02?。入 所者一人ひとりの個性と生活リズムを尊重した全室個室のユニットケアを実施する特別養護老人ホームの定 員は、入所90人、ショートステイ10人となり、デイサービスの定員についても30人に増加した。また、生ま れ変わった「丹寿荘」には、居室、浴室、共同生活室などが機能的に配置されるとともに、最新の設備も導 入されており、快適で安全・安心な生活環境を確保している。 利用者本位のサービス提供を基本とし、職員一丸となって居宅介護支援事業、障害者短期入所事業、短期入 所生活介護事業、通所介護事業、認知症対応型共同生活介護事業などに取り組んでいく「丹寿荘」。10月1 日に特別養護老人ホームを中核施設として、地域の高齢者ニーズに応えることのできる在宅福祉機能を備え た総合福祉施設として待望のオープンを迎える。 期待と信頼に応えた大豊建設 ………………………………………… 計画的・効率的に施工高品質を確保 「良質なコンクリートを打設する」、「竣工時での高い評価を得る」というスローガンを掲げ、穂原芳慶所 長をはじめとする大豊建設(株)神戸支店ならびに各協力会社の有能なスタッフが一丸となって取り組んだ 特別養護老人ホーム丹寿荘新築工事。2006年9月15日に催された安全祈願祭を契機として軌道に乗った工事 は、敷地を四工区に分割して計画的・効率的に進めていった。 北棟(C工区)、南棟(A工区)、中央棟(B1・B2工区)の手順で推進した杭工事に着手したのは10月 7日。プレボーリング拡大根固め工法により、径350から400?、長さ7から10mのPHC杭(合計347本)を 1日当たり25から30本のペースで着実に打ち込んでいき、同月末に完了させた。 GLマイナス1.3mまで掘り下げる掘削は、杭打ちが終わった工区から順次ラップさせていき、最終的には11 月末に完了。また、基礎コンクリート打設や埋め戻しなどについても順調に進捗し、今年の1月末には基礎 工事が完了するに至った。1日のコンクリート打設量が450立方mを超えるため、綿密な打設計画を確立し、 良質なコンクリート打設に努めた躯体は、5月中旬に上棟を迎え、引き続き四寸勾配の屋根工事を推進。パ ーライトモルタルの打設を経て瓦葺きを慎重に行い、6月末に完了させた。 この間の4月初旬から8月初旬にかけては内装を推進。手摺りの設置箇所が多いため、下地位置の確認を十 分に行うなどして手戻りのない施工を心掛けた。また、外構(植栽、舗装)についても8月初旬に完了。 「低層階の建物工事だったため、いかに早く、スムーズに設備工事の着工態勢を確立するかがポイントとな っていた」(穂原所長)が、2階スラブの型枠をデッキスラブに変更するなどの工夫を凝らしたことが奏功 し、円滑な工程進捗を確保して工期内竣工を無事に果たした。 一方、品質管理面においては、大豊建設(株)の「ひび割れ防止基準」に則った品質管理に努めて躯体の高 品質を確保。また、杭の打設本数が347本と多かったので、杭芯の確認ならびに打ち込み時の建入れチェック を入念に行うなどの対応策を講じて高精度を確保した。 こうして、「良質なコンクリートを打設する」、「竣工時での高い評価を得る」という着工当初からの目標 を達成して多くの関係者から寄せられていた期待と信頼に応えた大豊建設?神戸支店では、安全管理活動も 緻密に展開。なかでも、資材搬入路(市道)が通学路に当たっていたため、約100台にもおよぶ生コン車が錯 綜するコンクリート打設時には、ガードマンを増員するなどして第3者災害の防止にとりわけ留意した。 社会福祉法人兵庫県社会福祉事業団立の特別養護老人ホームとしては初めてとなる移転整備に伴う丹寿荘新 築工事において高度な技術力を発揮した大豊建設(株)神戸支店。その手腕には、多くの関係者から高い評 価が寄せられている。 穂原芳慶所長の話 建物が三棟ある上に、横に広いため、建物の構築手順を確立するのに苦労したが、サイクル施工の励行によ る効率的な工程を確保したことによって工期内竣工を無事に迎えることができたのは大きな喜び。これも偏 に、多くの関係者のご支援、ご指導ならびに作業に従事した全員の努力の賜であり、心から感謝申し上げま す。今後は、この丹寿荘が、地域福祉の中核施設として親しまれ、役立つことを願っています。