○辻 畯司・大進産業?取締役社長 生コンの製造・販売を中心とする大進グループの中核である大進産業? (東大阪市吉田本町1−2−40)の辻司・取締役社長。 辻社長はまた、約100社が加盟する大阪広域生コンクリート協同組合の 副理事長も務める。 これまでを振り返って、運やツキがあったことともに、周りの人との出会 いに恵まれ、支えられて今の自分があると話す。 そして「自分で正しいと思ったことは多少手強くても実行する」ことを 一つの信念にしている。また、理想も強い信念を持って取り組めばいつか 実現するとも。 休日は趣味のゴルフやアユ釣りに出かける。四国まで足を伸ばすこともあ るアユ釣りは本格的だ。 業界の健全な発展をめざすリーダーの1人として 多忙な日々を過ごす辻社長の生きざまに迫ってみた。 (聞き手=ツールバンク?・能村麻里)
写真:鮎釣りをする辻社長 ○ 強い信念持てば理想は実現する ----------まずは平均的な1日のスケジュールからお聞かせください---------- 「朝は7時頃に起床し、8時30分には会社に来ています。午前中に書類関係に目を通して、午後からこち ら(大阪広域生コンクリート協同組合)に出てくることが多いですね。たまに付き合いで寄り道はしますが、 帰りは6時から7時ぐらいかな」 辻社長は、生コンの製造・販売を中心とする大進グループ(5社)の中核である大進産業?を含む2つの会 社のトップであり、また大阪広域生コン協組の副理事長でもある。家族は奥さんと長男、次男、長女の5人 で、長女はすでに結婚し独立している。住まいは奈良市学園前。
○ 趣味はゴルフとアユ釣り ----------休日はどのように過ごされていますか。また、趣味についても教えてください---------- 「休日は家でくつろいでいることが多く、後は趣味のゴルフや魚釣りに出かけるぐらいです。ゴルフはもっ ぱらプライベートで月に3〜4回行きますね。ハンデは申請してませんが、70台で回ったこともあります よ」 ----------魚釣りは海と川のどちらに---------- 「川の渓流釣りですね。アユ釣りが好きで、和歌山県や四国の徳島県の吉野川、高知県の四万十川などによ く出かけます。ただ、渓流といっても上流の急峻な場所で釣りをすることが多いので何度も危険な目には遭い ましたが・・・。アユはとも釣りで、10匹以上の釣果をあげています」 アユ釣りの話をすると本当に楽しそうだ。今年は忙しくて5月末の解禁以来まだ一度もアユ釣りに出かけて いない。この7月の連休に初めて出かける予定とのこと。釣り場で足を滑らせたりしてケガのないように、釣 果に期待しています。 ----------これまでの仕事の中での苦労や印象に残っていることは---------- 「あまり苦労だと感じたことこともなく、これまでは比較的順調にきたように思います。運やツキもありま したが、周りの人との出会いに恵まれた結果だと感謝しています。自分の運ではなく、周りの人たちに運をも らってここまで来ることができたと・・・。その意味では、今の自分があるのは90%以上が周りの人たちに 盛り立てられ、支えられてきたおかげかな。それと転機となったのが、前社長が早くに亡くなったために、平 成2年に44歳で社長になったことですね」 今の仕事をしていなかったらとの問いには、たぶん自分で何か商売をしていたでしょうねと笑顔で話す。与 えられた仕事をこなすよりも自分で仕事を見つけ出して、それをやり遂げるのが性格に合っているようだ。 ----------ご自身の座右の銘や好きな言葉などがありましたら---------- 「特に座右の銘にしているような言葉はありませんが、本から影響を受けることが多く、「生きざまの原 点」など多くの著書がある船井幸雄さん(船井本社会長、船井総合研究所所長)の本は好きでほとんど読んで います。自分の生き方や会社経営のための参考にしています。最近では、落合信彦が書いた「ケネディからの 伝言」がおもしろかったですね。これはケネディ大統領の演説をまとめたものですが、随所に彼の理念や理想 を感じることができました」 ----------社長自身が持っている理念や信念をお聞かせください---------- 「信念というか心がけているのは『自分で正しいと思うことは多少手強くても実行する』ということです ね。これは社員に対しても求めていることです。もちろん、自分の価値観だけで判断するのではなく、社会的 責任や正義というひとつの基準の上に立ってのことですがね」 ----------仕事関係で親しくされている人やお付き合いのある人はいらっしゃいますか---------- 「仕事関係では、同じグループの大阪大進生コンクリート?の上ノ原衆司社長と、南大阪大進生コンクリー ト?の桜井照郎社長の二人ですね。私を含めそれぞれ性格はまったく違うのですが、企業をグループ化するこ とで合理化し、効率化を図るという私の考えや将来の展望などに賛同してくれて一緒に仕事をやっています」 大進産業?は太平洋セメント?の特約販売店でもある。 その販売店の若手を中心に組織するのが生翔会(24社)だ。そのメンバーたちに基幹産業としての誇りを持 ち、次の時代の発展に向けてがんばってほしいとエールを送る。 ----------最後になりましたが、今後の抱負をお聞かせください----------- 「いつも理想を持って生きるということかな。私は夢と理想は違うと思っています。理想は強い信念を持っ ていればいつか実現するが、夢はあくまで夢であって実現するのは難しい。そして理想を追求していく基準に なるのが、それまでの経験や読んだ本などではないかと思いますよ」 今年の10月で還暦を迎えるとのことだが、表情も生き生きと若々しく、とてもそうは見えない。最近は健 康面を考えて電車通勤とともに、歩くことを心がけているとのことだが、若さの秘訣は常に理想を持って仕事 に取り組んでいるからだろう。今後も業界の健全な発展とともに、次代を担う後継者の育成に尽力していただ きたい。(文責・曽碩和彦)
【麻里のひとりごと・・・】 とても緊張してしまい、質問があっちこっちに飛んでしまったにも関わらず、辻社長は常に笑顔で快く答え て下さるとても気さくな方でした。「周りに恵まれてここまで来られたことが有り難いし、運も良かったと思 う」とおっしゃる辻社長。その言葉どおり、トップとしてのカリスマ性があり、「前向きに生きる人は輝いて いる」という印象でした。辻社長の言葉「自分で考えて正しいと思った事は実行する」を今後私自身の教訓に していきたいと思います。 お忙しい中、インタビューにご協力いただきましてありがとうございました。 (毎月1回掲載)