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大林組、耐震性を大幅に強化したシステム天井の高耐震仕様を追加開発

耐震性を大幅に強化した大林組のシステム天井「O-GRID(オーグリッド)(R)」高耐震仕様を追加開発
<設備を含め2.2G対応の耐震グリッドシステム天井を実現>
株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:白石達)は、自社開発のシステム天井「O-GRID(オーグリッド)(R)」の高耐震仕様を開発し、従来の2.2倍の耐震強度を実現しました。今回の開発では、既往の材料の組み合わせで、天井の設備システムを含めた高レベルの耐震安全性を実現しています。

2011年3月の東日本大震災では、近年オフィスビルや研究施設などで一般的に採用されているグリッドシステム天井でも、想定を超えた地震力により多くの事故が発生しました。これらは、天井吊り空調機の脱落、または天井と設備機器との衝突による双方の破損など、天井に設置されている設備機器が主に起因しています。これまでは、一般的なシステム天井の耐震性は1.0Gまでの想定であり、今後施行予定の建築基準法の告示改正案にある、さらに大きな地震力、2.2G程度の力に対応する耐震安全性は検証されていませんでした。
東日本大震災以降、そうした課題解決に向けて、大林組は自社開発のシステム天井「O-GRID」のさらなる耐震化に取り組んできました。グリッドシステムの天井は、ライン型システム天井と比較すると、もともと地震に強いシステムですが、今回新たに開発した「O-GRID」高耐震仕様は、空調設備機器と天井の一体化など、天井設置の設備を含めて2.2Gの地震力に対応できる耐震強度を実現しました。また、その安全性については、大林組技術研究所(東京都清瀬市)の振動台を用いた水平加震実験により検証しています。

今後、新築工事はもちろん、在来天井の耐震改修のニーズについても増加していますので、在来天井に比べて軽量かつコストメリットのある、「O-GRID」高耐震仕様への改修提案を積極的に行い、お客様の多様なニーズにお応えしていきたいと考えています。
  O-GRID(システム天井)とスキットエア外観
  
新開発の「O-GRID」高耐震仕様の主な特長は以下のとおりです。

1.設備機器を含めて、従来の2.2倍の耐震強度を実現
  大林組技術研究所にある国内最大レベルの振動台を用いて、仙台波や神戸波などさまざまな地震波の再現実験により、空調設備機器を含めたシステム天井「O-GRID」高耐震仕様が、地震力2.2Gに耐えられるという耐震安全性を実証しました。

2.合理的な補強方法により、コストを抑制
  従来の空調機は、天井から吊っているだけでしたが、新たにシステム天井と一体化する方式を考案しました。天井と一体化して振動させることで、これまでのような双方が個別に振動することでの衝突や損傷を防止することができます。照明器具周りなども適切な補強が必要となりますが、天井補強を最低限必要な部分のみに絞ることで、耐震仕様へのコストの増加も抑制しています。

  今回開発の「O-GRID」は、コスト面で在来天井を2.2Gの耐震対応へ改修する場合と比較して、3分の1の費用(設備機器含む)となりました。新築時のコストでも、在来天井との比較で3分の2まで削減できます。さらに、1.7G、1.5Gのメニューもそろえており、それぞれコストが下がります。

3.耐震ブレースのピッチの工夫により、天井の設備レイアウトの自由度が向上
耐震性能を向上するために耐震ブレースを配置して補強をしますが、理論上のブレースの必要本数を増やすことなく、ピッチの工夫によりブレース配置の自由度を上げることができました。さまざまなピッチのブレース配置で耐震実験を繰り返し行い、耐震性能とピッチについての力学的な相関を検証・解析し実現したものです。耐震ブレースの配置の工夫により、天井内に余剰スペースが生まれるため、ダクトや配管、ケーブルラックなど、天井内設備レイアウトの自由度が向上しました。
大林組は、2.2G対応のシステム天井「O-GRID」高耐震仕様の積極的な提案により、快適な暮らしを実現し、安全・安心な社会へ貢献していきたいと考えています。
【参考】

天井の耐震ブレースパターン:いずれも2.2G対応
設備機器のレイアウトによりパターンを使い分けることが可能です。

(1)V字型
(2)レの字型+吊りボルト補強材
(3)レの字型(吊りボルト補強材無し)
通常は補強材が必要となりますが、今回取り付け方の工夫により補強材を不要としました。
ブレースの力の流れ

  
以上

(株)大林組

http://www.obayashi.co.jp/

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