コンサルへの導入検討 大阪府都市整備部では、2009年度の総合評価落札方式の取組方針を発表した。昨年度の実施実績を踏まえ、 内容を一部見直して拡充するもの。主な変更点は、優良工事表彰等での評価見直しや継続教育(CPD)の 導入をはじめ、地域加算点の取り止めなど。また、建設コンサルタント等委託業務でも総合評価落札方式の 試行導入を検討するとしている。 府では今年度、土木一式工事、舗装工事、造園工事、橋梁上部工事(鋼製、PC)での総合評価方式の試行 導入を実施。各工事の特性に応じ、技術審査型の簡易タイプと標準タイプ、技術提案型で簡易タイプと標準 タイプ、高度タイプを選択。工事におけるタイプの選択は、原則として工事金額による選択となるが、技術 提案型の標準タイプと高度タイプでは、工事内容により技術的工夫の余地が小さい場合は簡易型を、また、 技術審査型(簡易)でも必要に応じて標準型を適用するとしている。 各タイプにおける審査・評価で、技術審査型(簡易・標準)では、入札参加条件を満たす者に基礎点として 100点を付与し、評価項目の加算点との合計点数を技術評価点とするもの。評価項目は、施工上配慮すべき事 項や工程管理の適切性、優良工事表彰の有無、工事成績、継続教育(CPD)の取り組みと必要に応じた工 事成績と配置予定技術者の実績・資格などで、簡易型では施工上の配慮事項の適切性とCPDは評価外とな る。 技術提案型(簡易・標準)は、入札参加資格を満たす者に技術提案基礎点100点を付与し、評価項目の加算点 との合計点数を技術評価点とする。評価項目では、施工上の特定の課題等について入札参加者から技術提案 を募り工事の品質向上を期待、企業や配置予定技術者の施工実績等も評価するが、簡易型では社会的要請へ の対応は評価しない。なお、高度型の加算点は未定としている。 落札者の決定は、入札価格が予定価格の制限の範囲内にあるもののうち、評価値の最も高いものを落札候補 者とし、評価値は、技術評価点を入札価格で除した値(相対値)とする除算方式での算出を基本としてい る。これら取組方針で2008年度との相違は、優良工事表彰・工事成績点の評価については、各年度毎に落札 候補者になるまで複数回受賞(取得)を考慮せず、重複での申請可能としていたものを、各年度毎に受賞 (取得)対象案件1件につき1回申請でき、落札候補者にならなかった場合は再申請を可能としながら、重 複申請は不可、受賞(取得)した実績に応じた行使は可とした。 CPDの導入は、学習意欲のある技術者を評価することで工事品質の確保を図ることが目的。配置予定技術 者の評価項目に導入、CPDは全国土木施工監理技士連合会や土木学会、日本技術士会、地盤工学会等が証 明したものなど。また、技術審査型の簡易タイプに試行導入していた地域加算点を取り止める。工事箇所と 同一市町村に営業所等を有する企業に加算点を付与したいたが、工事箇所が特定市町村に偏っているなど公 正性を欠く場合があるため。 これら総合評価方式の適用にあたっては、大阪府建設工事総合評価委員会の諮り、学識経験者から意見聴取 し、実施に際しては、中立かつ公正な審査・評価を行うために、2人以上の学識経験者から意見を聞き、落 札者決定基準を定めることとしている。