日本郵政とJR西日本40階建ての複合ビル建設2012年の竣工目指す 日本郵政(株)(西川善文社長)並びに郵便局(株)(川茂夫会長CEO)の日本郵 政グループはこのほど、大阪中央郵便局(大阪市北区梅田3−2−4)の敷地を含む 「大阪駅西地区開発計画」を発表した。西日本旅客鉄道(株)と共同して実施する。 計画では、郵便局はじめ事務所、商業施設を併設した40階建ての超高層ビルを建設す る。日建設計の設計により、2012年の竣工を目指す。 開発計画では、大阪中央郵便局が所有地約8,900?と、隣接するJR西日本の所有する 約4,000?の計1万2,900?を共同開発するもの。計画では、S一部SRC造地下3階 地上40階建て塔屋2階、延床面積約21万3,000?の超高層ビルを建設。
建物低層部には郵便局(窓口)をはじめとする商業施設、中層部は約1,700席程度の劇場を、高層部にはワン フロア900坪程度の西日本最大級の基準階を有する事務オフィス(賃貸)を設けて業務拠点としての機能を強 化するとともに、建物全体で商業・文化の街として、周辺に賑わいのある街並み形成に寄与するとしてい る。なお、劇場運営は、(株)オリエンタルランドが行う。また、西日本一のターミナル駅である大阪駅 と、面的整備の進む西梅田地区の結節点に位置することから、地上1階と2階、地下1階の各レベルで歩行 者ネットワークを構成。大阪駅と大阪駅北地区(北ヤード)、西梅田地区を有機的に連絡して、新たな賑わ いの核づくりを目指していくとしている。 日本郵政グループでは、2007年10月の民営化に伴い、グループの経営基盤の強化を図るため、新たな収益事 業の1つとして、グループが保有する不動産の有効活用の検討を進めていた。このうち大阪中央郵便局は、 局舎の老朽化や容積率の低利用などの課題があり、その建て替えと併せ、今後の活用の可能性についての検 討も進められていた。 大阪中央郵便局は、RC造六階建てで1939年に竣工した。当時、逓信省営繕課に勤務していた建築家の吉田 鉄郎が設計を担当。吉田は、東京中央郵便局も手掛けており、そのモダニズム様式は、ブルーノ・タウトも 絶賛したとされ、大阪はその東京の「完成形」とされている。両局舎に対しては、建築家団体などから保存 を求める声が上がっていた。