若手技術者が参加 (社)大阪建設業協会(奥村太加典会長)では、「人材育成研修会」を11月 28・29日の2日間にわたり、兵庫県三田市の三田建設技能研修センターで開 催した。同協会経営委員会が人材確保と育成に向けた取り組みの一環とし て、同研修センターとの共催で実施したもの。研修会には、会員12社から21 名の若手技術者らが参加し、会員OBらを講師に、仕事への取り組み姿勢や 大型プロジェクトの経験談についての講習が行われた。 研修会では、初めに主催者を代表して、大建協の森本晴夫副会長が挨拶。森 本副会長は、「建設業に誇りと夢を持てるよう、先輩諸氏の体験談を聞くこ とで、それぞれが今後の仕事に活かせていただきたい」と研修の成果に期待 を寄せた。また森本副会長は、建設業の現状として、「もの作りの良さが失 われている」とし、現場では、技術者としての仕事より事務の仕事に目が向 けられ、「もの作りの良さに目が向けられていない」と指摘。黒四ダムや青 函トンネルなどを例に上げ、「かつて我々は、山の上にダムを造り、海底下 に長大トンネルを築くなど、世界に例を見ない仕事をしてきた。日本人はも っと誇りを持ってほしい」と強調。
また、建設業は3Kと言われるが、「使命感や達成感、プライドなどのうち1つでもあればそれで十分では ないか」と述べ、研修で学んだことを後輩や同僚にも伝えてほしいーと呼びかけた。 この後、現場マンの心構えや近畿の大型プロジェクトを手掛けた会員各社のOBらからの体験談が語られ、 最終日には受講を終えてのレポート作成と各受講者による発表が行われた。同研修会について大建協では、 来年も開催したい意向であるとしている。 研修内容は次の通り。 ▽仕事に対する姿勢・やり遂げる達成感について 中川徹・清水建設上席エンジニアリング大阪支店品質長 ▽関西国際空港の現場をかえりみて 松本幹治・下村建設専務取締役(元大林組) ▽梅田スカイビル・リフトアップ工法の成功の軌跡について 小島政章・竹中工務店安全環境本部長 ▽長年の体験に基づく現場の納め方について 水元豊弘・日本カイザー顧問(元大林組・京都迎賓館統括所長)