コンクリート打設で機械化施工 大林道路が施工 関西国際空港の2期貨物地区エプロン舗装工事が、最盛期を迎えている。24 時間空港のポテンシャルを活かし、国際貨物ハブ空港として発展するために も不可欠なもので、今年6月から工事が行われている。現在、実施されてい るのはエプロン部のコンクリート舗装工事で、5種類の機械を駆使して作業 が行われており、工事は大林道路が担当している。 2期貨物地区は、「24時間空港の強みを貨物で活かし、旅客とともに関空の 2本柱とする」(関空会社)ため、2期空港島の連絡誘導路を挟んだ地区で 計画された。このうち工事が行われているのは連絡誘導路の南側エリアで、 航空機の駐機場となるエプロン部と貨物上屋用地で構成され、整備はエプロ ン部を先行して実施されているもの。 エプロンは、長さ387m、幅134.5mで、エアバスをはじめ航空機五機の駐機 を可能とし、コンクリート舗装面積は約5万2,000?、コンクリート量は約1 万9,000立方mのもの。舗装工事は、施工区域を16レーンに分け、さらに各レ ーンを3つのスパンに区切って実施されている。
工事では、生コンクリートを敷均す「ボックススプレッダ」、さらに緊密に敷均す「ブレートスプレッ ダ」、締め固めを行う「インナーバイブレーター」、締め固めと粗仕上げの「コンクリートフィニッシャ ー」、平坦仕上げの「コンクリートレベラー」の五種類の機械をワンセットとして使用している。作業は、 幅8.5mのレーンに仮設されたレール上を、ボックススプレッダから順次、移動しながら各工程を実施。機械 作業の後は、作業員による2次にわたる仕上げと、養生剤散布と養生マットの敷設でワンサイクル が完了する。ひとつのレーンの施工サイクルは、最短で3日間としている。 工事の特徴では、レーン幅を広く取ることにより工期短縮につながり、生コンクリートは通常より水分の少 ないものを使用し、トラックによる搬入としたほか、路盤材には、リサイクル材であるクラッシャーラン鉄 鋼スラグ(CS材)を使用して経済性と環境面にも配慮している。また、コンクリート舗装の層厚は36? で、1期島エプロン部と比べ6?薄くなっている。これは、2期島の地盤が薄層転圧締固工法により造成さ れたため、一期より高密度で高強度な均一地盤となったためで、さらに上部路床が不要となったことから、 地盤レベルからでは40?以上薄くなり、大幅なコスト縮減が可能となった。 工事は、今年6月から行われており、五種類ワンセットの機械を2セット使用して実施。エプロン部全体で は約70%の進捗率で、11月には全てのコンクリート打設が完了、来年春頃には供用を開始する予定。工事費 は約12億円。 2期貨物地区は、2期滑走路のオープンに伴い、24時間運用のグローバルスタンダードの国際ハブ空港とし て、アジアを中心とした貨物ネットワークを備えたアジアのゲートウェイを目指し整備されるもの。今後、 エプロンに隣接して貨物上屋用地の整備のほか、貨物地区連絡道路などの整備も計画されている。