近畿地方整備局港湾区後部、PC−18順調にケーソン据付 神戸港湾事務所では、特定重要港湾の神戸港と姫路港、重要港湾の尼崎西宮 芦屋港、東播磨港のほか、兵庫県内の27港湾を管轄としている。このうち神 戸港においては、「阪神港」として大阪港とともにスーパー中枢港湾の取り 組みを進めている。その中核を成す基盤施設として、ポートアイランド2期 地区で国際海上コンテナターミナルの整備を実施している。 ターミナルは、耐震強化岸壁として計画された水深16mで延長400mのもの。 岸壁は、ケーソン26函を据付て構築するもので、工事は、「神戸港PC−18 高規格コンテナターミナル事業」として平成18年11月から行われている。ケ ーソンは、高さ18.3m、幅14.9m、奥行き18.2mを標準として製作され、既 に全ての製作を完了。昨年9月には1号函の据付が行われ、今年度中には21 函を据付、7月までには残る5函の据付を行うこととしている。 また、ケーソン製作にあたり同事務所では、地元小学生から児童画を募集 し、昨年2月には看板用シートに取り付けたほか、5月にはケーソン本体に 絵を描く「スパチュウお絵かき大会」を開催している。さらに1号函の据付 にあたっては、児童や家族を招いての見学会やクルージングを実施、同事業 に対する理解を呼びかけた。今後は、背後ヤードの改良工事も検討されてい る。なお、岸壁は2009年春頃の完成を予定している。
一方、地域産業の振興と発展に寄与する多目的国際ターミナルの整備が行われている尼崎西宮芦屋港では昨 年6月、尼崎地区での岸壁が概成し、冬柴大臣らが出席しての式典が行われ供用を開始した。同地区は、フ ェニックス事業用地を活用したもので、概成したのは一バース延長240m、エプロン幅20mで、水深12mは3 万トン級船舶への対応を可能とした同港では初めてのもの。今後は、耐震強化岸壁として工事中の岸壁との 二バース連続とするほか、現在では300mの背後地で掘削を実施、これまで155mが完了している。また、航 路泊地(水深12m)も継続中で、岸壁全体では2010年春の完成を目指している。 このほか、海洋環境整備事業で海面清掃船による船舶航路の障害や水質悪化の原因となる浮遊海洋ゴミ、油 の回収作業を行うとともに、海洋環境の総合的な保全と改善を目的に、水質及び底質調査観測を実施してい る。