入札契約業務の取扱方針示す 大阪府住宅まちづくり部はこのほど、「公共建築室建設工事総合評価落札方式試行ガイドライン」を策定し た。同方式に係る入札契約業務の取扱い方針を定めたもので、技術的工夫の余地がある一定規模以上の建設 工事に適用するにあたり、対象工事やタイプ別について基本事項などを示している。今年4月以降に発注す る建築一式工事と電気工事及び管工事を対象に実施する。 対象は建築一式工事、電気・管工事、4月から適用へ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 総合評価方式の導入は、技術に優れた業者に育成と品質の確保・向上を図ることを目的とするとともに、環 境対策や安全対策への対応、総合的なコスト縮減などへの効果を狙ったもの。過去の工事成績点や監理技術 者の実績等を評価、受注に対するインセンティブを付与する。対象となるのは、当面の間、技術的工夫の余 地が比較的大きい場合など、一定規模以上の建設工事とし、建築一式工事と電気工事、管工事で、建築一式 工事は工事金額6億円以上、電気・管工事は同2億円以上が対象。また、技術的工夫の余地が大きい工事と しては、工事金額3億5千万円以上の工事を基本とするが、耐震工事など、技術的工夫の余地が大きいもの については適用することもあるとしている。 タイプ別では、国土交通省が示す高度技術提案型の対象となる工事が当面ないことから、「技術審査型」 (簡易型)と「技術提案型」(標準型)の2種類。府営住宅の新築工事では技術審査型、府営住宅以外の新 築・改築・増築工事ではいずれかを選択し、技術的工夫の余地が大きなものについては技術提案型となる。 技術審査型は、技術的工夫の余地が小さい工事で、公共建築室が提示する設計図書の品質確保の確実性と価 格を総合的に評価。評価では、簡易な施工計画と企業の施工能力、配置予定技術者の能力を求める。 技術提案型は、工夫の余地が大きい工事で、技術提案による品質向上と価格を評価する。施工や配置予定技 術者の能力に加え、特定の課題について施工上の工夫等の技術提案を求める。 落札者の決定にあたっては、除算方式により評価値を算出し、評価値の一番高い者を落札者とする。総合評 価の審査は、住宅まちづくり部競争入札審査会建築部会が行い、技術審査と技術提案の結果(技術評価点) は、開札前に、大阪府建設工事総合評価委員会建築工事部会に諮ることとしている。 実施にあたっては電子入札での実施とし、原則としてヒアリングは行わない。公告から落札者決定までは約 2カ月間を見込んでいる。公共建築室では、4月以降に発注する工事で適用することとしており、来年度は 約10件程度となる見込み。 大阪府における総合評価落札方式では、既に都市整備部が試行を開始しており、昨年末までには87件で実施 している。住宅まちづくり部では今年度一件だけとなっているが、公共建築室では、今後試行を重ね、対象 工事の拡大や評価項目、加算点の見直しなどを適宣行いながら、公共工事の品質確保に取り組んでいくとし ている。