市街化調整区域ガイドラインも改正 大阪府はこのほど、「大規模集客施設の適正立地に関する運用指針」を策定するとともに「市街化調整区域 における地区計画のガイドライン」を改正した。都市計画法等の一部改正により、大規模集客施設の立地用 途地域制限や大規模開発の許可基準の廃止と新たな計画制度が創設されたことから、それぞれの適正な運用 を図るため、立地に適した区域や、調整区域での地区計画の考え方などを示したもの。 都市計画法の改正は、中心市街地の衰退の要因でもある無秩序拡散型都市構造を見直し、都市構造に大きな 影響を与える都市機能の立地を適正あつ確実に誘導することを目的に2006年5月に一部改正が行われ、先月 30日から施行され、大阪府でもこれに対応するため運用指針を策定し、ガイドラインを改正した。 改正都市計画法では、従来、大規模集客施設の立地が可能とされていた6つの用途地域(商業、近隣商業、 第2種住居、準住居、準工業、工業地域)を、商業、近隣商業、準工業地域の3つの用途地域に限定すると ともに、立地が制限される用途地域で大規模集客施設の立地を可能とするため新たな地区計画制度「開発整 備促進区」を創設した。 運用指針は、大規模集客施設の立地が適正と考えられる区域や立地に関する都市計画における対応等に関す る府の基本的な考え方を提示したもので、大規模集客施設の立地が適正と考えられる区域として、市街化区 域と市街化調節区域で整理。 市街化区域では、都市計画マスタープラン等で都市核・地域核として位置付けのある区域や商業・業務地が 形成されるとして位置付け等のある区域、地区計画等により計画的で良好な整備を図る一定規模(1ha)以 上の区域か、鉄道駅の周辺部(500m)や幹線道路(4車線)の沿道で、それぞれ商業・業務施設の立地を図 る区域。市街化調整区域では、周辺を概ね市街化区域に囲まれた幹線道路4車線)の沿道で、都市計画マス タープラン等で大規模商業施設の立地に関して位置付けのある区域―としながら、府の「市街化調整区域に おける地区計画のガイドライン」に即し、市長村が定めるガイドラインに基づき決定された地区整備に合致 する必要があるとしている。また、新たな立地が制限される用途地域内にあっても、工場跡地等を活用する 場合などにおいて、立地を可能とする地区計画の決定等で立地を可能とする制限の緩和を打ち出す一方で、 準工業地域でも、基盤整備が不十分であるなど適正区域い該当しない場合は、特別用途地区や地区計画の活 用により立地を抑制することが望ましいとした。 一方、ガイドラインの改定では、市街化調整区域内の大規模開発に係る開発許可基準を廃止、今後の大規模 開発については、地区計画を定めることが必要とし、知事が市長村の地区計画を同意する場合の判断基準の 一つとするーなどと位置付けている。基本的な考え方は、人口減少と超高齢化社会の進展など、社会経済情 勢の変化を踏まえ、市街地の拡散抑制と既成市街地の再整備などで集約・連携方都市構造の強化を図り、 「市街化を抑制する区域」という基本理念を堅持しつつ、良好な土地利用の継続と既存ストック等を活かし た土地利用を図ることとした。 改正内容では、規模要件を、これまでの1ha以上5ha未満から原則0.5ha以上とし、大規模開発を地区計画で の対応となり面積上限を廃止、都市計画提案制度との整合も0.5ha以上とした。 立地基準では、市街化区域近隣設置地域を市街化区域から概ね500m以内から100mに変更したほか、鉄道駅 等周辺地域と大規模集客施設の適正立地が追加。また、技術基準で、地域の実情に応じた技術基準の設定が できるよう府下一律の基準を廃止する。