芸術文化センターと大阪弁護士会館 (社)日本建築家協会近畿支部(吉羽逸郎支部長)が主催する「第9回関西 建築家大賞」に、江副敏史氏(日建設計)が決定した。「兵庫県立芸術文化 センター」と「大阪弁護士会館」を対象作品に、出江寛氏を審査建築家とし て選考が行われた。組織事務所からの受賞は初めて。表彰式は来月2日の近 畿支部大会で行われる。今回は、1997年から2006年までの10年間に実現や提 示された作品2点を対象に募集を行い、応募のあった14人の中から、書類審 査と現地審査を経て選出されたもの。
受賞について江副氏は、「光栄であり嬉しく思う」と喜びを語った。2つの作品については「素材感を強く 打ち出し、木や煉瓦、コンクリートにガラスなど、光を効果的に、いかに採り入れるかを主眼とした」と共 通点を述べ、「シンプルで単的な建物だが、素材の良さと構造の力強さを表現した」と江副氏の作品につい て出江氏は、「奇を衒わず普遍性の高まった品格の高いデザインと密度の高い限定した素材の表現に深さと 力強さを感じた」と講評。また、これまで同賞の入賞者は、全てアトリエ派の建築家であったとし、「今 回、大組織の中から選ばれた意義は大きい」と江副氏の功績を讃えた。また、吉羽支部長 も組織事務所の建築家の受賞を「意義があり、画期的なこと」と評価した。 同賞は、近畿支部地域で活躍するJIA建築家を対象に毎年実施、一人の審査建築家の価値観によって選出 されるもので、今回の審査建築家の出江氏は第1回の受賞者。なお、表彰式は11月2日に開催されるJIA 近畿支部大会(姫路市)で、記念講演会として、江副氏と出江氏の対談と併せて行われる。江副氏には、賞 状と賞牌、副賞として10万円が贈られる。 江副敏史…………………………………………………………………………………………………………………… (えぞえ・さとし)88年京都大学工学部建築学科卒、日建設計入社。主な作品は、大阪ワールドトレードセ ンタービル、神戸国際会館、岸和田波切ホールなど。現在は、日建設計設計部門設計室長。大阪府出身。 50歳。 ………………………………………………………………………………………………………………………………