2008年末供用開始予定 「清潔で透明な県政の実現」、「職づくり、人づくり・地域づくり」、「安 全・安心の確保」、「和歌山の美しさを活かした観光の振興」、「楽しい和 歌山の実現」という5つの政策目標を掲げ、「元気な和歌山」の具現化に向 けて各施策とひたむきに取り組んでいる和歌山県。それへの布石となる基盤 づくりを担う県土整備部においては、「安全で安心な県土づくり」、「交流 ネットワークづくり」、「美しく快適なまちづくり」という3つの柱と、 「改革と発展」という2つの視点を設定して各事業を着実に推進している。
その一翼を担う下水道等の汚水処理施設は、快適な生活環境を確保するばかりでなく、和歌山県の美しい自 然や2004年に世界遺産に登録された高野山、熊野三山などの歴史・文化遺産を後世に残していくためにも欠 かせない重要な社会基盤。しかし、2006年度末現在における和歌山県の下水道や汚水処理設備の整備状況 は、下水道処理人口普及率が16.0%、汚水処理人口普及率が44.3%となっており、ともに全国と比べて大き く立ち後れている。このため、和歌山県においては、「和歌山県全県域汚水適正処理構想」に基づき、下水 道、集落排水施設、浄化槽などとの連携を図りながら、地域の実情に応じた事業を?より早く、より経済的 に、より効率的に?実施している。 2008年度における汚水処理人口普及率50%の達成を目標として取り組んでいるこの構想の柱となる流域下水 道については、紀の川流域下水道(伊都処理区)、紀の川中流流域下水道(那賀処理区)の2カ所で事業を 推進。安らぎと潤いのある快適な環境の中で、県民一人ひとりがゆとりと生きがいのある生活を営むことが できる「豊かな環境」の創造に向けて今後も全力を傾注していく。 _________________________________________________________________________________________________ 紀の川流域下水道(伊都処理区) …………………………………… 紀の川の水質保全と生活環境の向上に大きく寄与する伊都処理区は、1979年度に橋本市、高野口町(現橋本 市)、かつらぎ町、九度山町を対象として事業に着手したもので、2001年4月から一部供用を開始。また、 2001年度末には、全区間の流域幹線管渠が完成した。 和歌山県に?下水道時代の幕開け?をもたらした伊都処理区の全体計画は、計画処理面積約3,084ha、計画処 理人口約8万4,200人、計画汚水量約5万2,000立方m/日、流域幹線管渠約18?。終末処理場の伊都浄化 センターは、かつらぎ町窪地内に設けられており、2007年4月現在では、12分の3池が稼働し、約8,000立方 m/日の汚水を受け入れている。 2006年度末現在における処理区全体の下水道普及率は38.0%、下水道への接続率は69.2%となっており、今 後も関連市町の面整備の拡大等に伴う汚水流入量増加や高度処理対応に合わせた施設の増設などを推進して いく予定である。 紀の川中流流域下水道(那賀処理区) ………………………………………… 紀の川流域下水道(伊都処理区)と相まって、和歌山県の下水道整備の中枢を担っていく紀の川中流流域下 水道(那賀処理区)。和歌山県内でも宅地開発などによって都市化が著しく進行している紀の川右岸および 左岸に位置する打田町、粉河町、那賀町、桃山町、貴志川町(現在の紀の川市)ならびに岩出町(現在の岩 出市)を対象として平成13年度より事業に着手した。 その全体計画は、計画処理面積約3,334ha、計画処理人口約13万3,400人、計画汚水量約7万2,600立方m/ 日、流域幹線管渠延長34?mとなっており、那賀、桃山、貴志川および岩出の4幹線からなる流域幹線管渠 については、2002年度から計画的に敷設を進めている。また、終末処理場の那賀浄化センターについては、 岩出市の中島地区に設置。2008年末の一部供用開始を目指して2004年度より建設工事を進めている。 この紀の川中流流域下水道(那賀処理区)は、県人口の約12%を占め、整備が進めば普及率の向上に大きく 貢献することになる。なお、関連公共下水道については、2006年度末までに 、従来の岩出町、桃山町、貴志 川町、打田町等が事業に着手している。