高さ日本一の超高層ビル建設へ
近畿日本鉄道?(本社・大阪市)はこのほど、高さ日本一となる超高層ビルを建設する 「阿倍野橋ターミナルビル整備計画」を発表した。 現ターミナルビル旧館を建替え整備するもので、超高層ビルは地下五階地上59階建 て、延床面積約21万平方?、高さ約300?の規模で、百貨店はじめホテル、オフィ ス、美術館の複合ビルとなる。今後、都市計画決定に向け協議しながら、平成26年春 の竣工を目指すとしている。
◇◇◆ 百貨店・ホテル・オフィスなど 平成26年春の竣工目指す ◆◇◇ この計画は、近鉄最大のターミナルである阿倍野に、同社のコア事業である鉄道・流通・不動産・ホテル・レ ジャーを結集し、阿倍野地区の活性化と発展に寄与することを目的とした。計画にあたっては、同社の新しい 世紀を拓くシンボルとして、また大阪の新しいシンボルとなることを期待して超高層ビル「タワー館(仮 称)」を建設するもの。
タワー館は、旧館(RC造地下3階地上7階建て、延床面積約5万5、400平方?)を撤去し、既存の新館 (SRC・S造地下四階地上10階建て、延床面積約9万5、000平方?)に隣接して建設。 SRC・S造地下五階地上59階建て、延床面積約21万平方?、高さ約300?は、横浜ランドマークタワ ー(高さ296?)を抜いて日本一となる。
施設構成では、低層階に百貨店と美術館、中層階をオフィスフロアとし、高層階にはホテル、最上階には展望 スペースを設ける。百貨店は延床面積約84、000平方?を整備、オフィスは約6万3、000平方?、ホ テルは約3万2、000平方?としている。
外観のデザイン設計は、多くの超高層建築を手掛けたペリ クラーク ペリ アーキテクツ代表のシーザー・ ペリ氏が担当。立体的に組み上げたデザインは、各機能を有機的連携を表現するとともに、近鉄の各事業部門 のコラボレーションを象徴。
空へと伸び上がる垂直性の強調は、同社並びに阿倍野地区の発展を象徴するとともに、立体的屋上緑化を介し て天王寺公園へとイメージをつなげ、ダイナミックな都市活動拠点の創造と、人間と自然環境に優しい街づく りの両立性を目指すものとしている。
整備計画では、ターミナル機能強化としてエスカレーターやエレベーターの新設によるバリアフリー化と歩行 者回遊ネットワークを整備。百貨店は新館フロアと合わせ日本最大の営業面積を確保する。オフィスフロア は、ワンフロア約3、500平方?の大空間として大規模テナントを誘致。
またホテルは、客室400室とし、高級感のある海外からのVIP受入可能な国際級ホテルを導入し、美術館 では、文化情報発信基地として歴史から近代アートまで、幅広い内容を検討する。
計画の背景には、ターミナルビルを含む阿倍野地区約21?が、都市再生特別措置法の都市再生緊急整備地域 に指定されていることに加え、百貨店間の競争激化と既存施設の老朽化などがある。 また整備の推進にあっては、都市再生特別地区が都市計画決定され、容積率の緩和等を受けることを前提とす るため、今後、大阪市と協議を進め、都市計画決定後に具体的な計画を進めながら、平成26年春の竣工を目 指すとしている。