兵庫県立新加古川病院 安全祈願祭と起工式 東播磨の拠点施設に 21年2月竣工 施工は真柄・コーナン・桑原・丸正JV 兵庫県が計画を進めていた「県立新加古川病院」の安全祈願祭と起工式が21 日、加古川市神野町の建設予定地で執り行われた。 式には井戸敏三知事はじめ関係者ら約80人が出席し、事業着手を喜びあっ た。同病院は、最新の機能を備えた東播磨地域の拠点病院として整備されるも ので、施工は、真柄・コーナン・桑原・丸正JVが担当し、平成21年2月の 竣工を予定している。 午前10時から行われた祈願祭では、厳かに神事が進む中、地鎮の儀が執り 行われ、カマ入れを内藤建築事務所の小島重喜社長が、スキ入れを井戸知事が 行い、最後に施工JVを代表して真柄建設の真柄宏司社長がクワを振るった。 この後、出席者ら神前に玉串を捧げ、工事の無事故・無災害を祈念した。
引き続き起工式が行われ、初めに主催者を代表者して井戸知事が挨拶。井戸知事は、現在の加古川病院開院か ら70年が経過したことから、「老朽化対策とともに新たな医療ニーズへ対応した第三次医療の拠点施設が必 要となっていた」と建設の経緯を述べ、「予防医療からリハビリ、ターミナルケアまで治療以外の機能を備え たもの」とし、新病院を中心に「将来の医療ゾーンとしても検討している」と期待を寄せた。
また、「新しい医療に挑戦する病院として、トータルな見地でこの病院が大きな役割を果たすための支援をお 願いする」と呼びかけ、工事に際しては「細心の注意と最新の技術で事故のないよう、夢と期待を持った病院 を完成させてほしい」と今後の努力を要請した。
これに対し工事関係者を代表して設計監理担当の内藤建築事務所の小島重喜会長と、施工JVを代表して真柄 建設の真柄宏司社長が挨拶。
小島会長は、拠点病院整備への参画に謝辞を述べるとともに、「設計にあたっては、高機能病院であることを 念頭に、関係各位の意見と指導を仰ぎながら業務を進めた」とし、特に環境面では特段の配慮を払ったとし、 「平成21年には立派な病院が完成するよう、施工JVと協力し、和を持って作業を進めたい」と誓った。
また真柄社長は、「人の命を預かり守る重要な施設を建設することは光栄であり、身の引き締まる思いだ」と し、工事推進にあたって地元関係者に対して理解と協力を求めながら、「ご迷惑をおかけするが、万全の準備 と細心の注意を払いながら、心を込めて工事にあたる」とその決意を語った。
建物は、約4万2、000平方?の敷地に免震構造のRC造地下1階地上六階建て、延床面積約3万2、00 0平方?の規模。地階1階にはリハビリ施設や食堂、1階は外来往診、救命救急センター処置室など、2階に は救命救急センター病棟や手術・検査部門、3階から上階を病床とし、ヘリポートも設置される。
施設は、外来部門の集中配置や個室感覚の病室、病室から屋上庭園への直接出入可能な緩和ケア病棟。また、 敷地段差を利用した患者動線とサービス動線の明確化、将来の医療ニーズに対応する拡張性に確保など効率的 な配置計画を実現。
環境面では、屋上緑化はじめグラスパーキング(芝生化駐車場)、太陽光・風力発電の採用と雨水利用や自然 採光などに配慮。また、災害への備えとして、大規模地震時でも機能を維持する免震構造の採用と、ライフラ イン途絶時にも3日間は機能維持が可能な自家発電・貯水設備を備え、災害拠点病院としての機能を備えてい る。
建設地は、兵庫県住宅供給公社の宅地用地の一部で、昨年度に造成工事が行われていた。建築工期は、平成2 1年2月28日。概算事業費は約135億円(医療機器等除く)。
佐々木文次・JV所長の話「工事のポイントは免震孝造とプレキャストコンクリート設置の精度となるが、近 隣へ配慮しながら無事故・無災害を目指したい」