二条から天神川間2.4?を縦断 約1,000人、スケールの大きさ実感 京都市交通局が2008年3月までの完成をめざして延伸工事を進めている地下鉄 東西線・二条から天神川間(延長2,400m、3駅)内で3日、開業前の地下鉄 トンネルを歩いて縦断する「トンネルウォーク」(主催・同局建設室)が一般 を対象に催された。トンネル縦断は現在営業中の二条駅をスタートして、工事 区間のほぼ中央に位置する西大路御池通りの真下を潜り、京福電鉄嵐山線の新 駅と結節する天神川駅(仮称)間で実施された。約1,000人が参加してトンネ ル内を約1時間30分かけて歩き、地下鉄工事のスケールの大きさを体感した。 ※写真上:営業中の二条駅地下部からのスタート ※写真下:ゴール地点近くでシールド堀進機の説明に耳を傾ける参加者 2008年3月までに開業・土木工事進捗率96%
二条から天神川間の延伸は、約745億円(工事完了時には220億円のコスト削減を見込む)を投じて東西線を現 在の二条駅から西へ、西大路御池を経由して展天神川に至る約2,400?の路線を建設するというもの。2001年 5月9日に鉄道事業認可を得て、2002年5月10日に都市計画決定、同年7月15日に施行認可と道路下敷設許可 を受けて、同年11月8日に着工した。昨年12月にはシールドトンネル全線開通するなど着々と工事が進む。土 木工事進捗率は今月3日時点で約96%。 今回、トンネル内の見て歩きが開催された二条から天神川間は、延伸工事の起点部で地下14mに位置する二条 西工区(延長838m)は、現在営業中の二条駅に発進立坑(RC構造二層式)を設けて、泥土圧式シールド工 法(単線並列トンネル2本)で西大路駅(仮称)に向けて掘進させながら、コンクリート製セグメント(外径 5,700?、仕上がり内径5,140?)を築造した。西行き線は昨年2月14日に発進され、同9月30日に貫通。東行 き線も昨年の3月31日に発進され、同11月1日に到達、同月5日に貫通。1日の掘進距離は両線とも約5m。 施工は大林・鹿島・鴻池・公成・ケイコン特定JV。 区間のほぼ中央に位置する西大路駅工区では(仮称)西大路駅(中京区、延長187m)を開削工法で構築。現 在、ホームが仕上がった段階で今後、コンピューターシステムの導入や外壁工事など本格的に着手。施工は大 成・熊谷・ハザマ・吉村・古瀬JV。また、西大路西工区(延長1,162m)では、昨年3月18日に右京区に新 設する天神川駅(仮称)から同局で初採用となる外径9,300?の複線大断面シールド掘進機を西大路駅(仮 称)に向けて発進、上下線の相互の乗り入れに伴う大空間の確保に加えて、土破りも比較的に薄いことから、 難工事が求められたが十分に留意しながら掘進、昨年12月20日に貫通。1日の掘進距離は約6m。施工は大 成・熊谷・ハザマ・吉村・古瀬JV。 終点で、地下23mと地上部から最も深い位置に開削工法で構築した(仮称)天神川駅(右京区、延長186m) は今後、外構・設備工事等が着手される。施工は清水・銭高・鉄建・岡野・長村特定JV。また、同駅の整備 に伴って地上部では、市建設局が太秦東部地区第一種市街地再開発事業を進めている。右京区の新たな交流拠 点をめざして右京区総合庁舎、右京地域体育館、右京中央図書館、分譲住宅(56戸)などが配置されるSRC 造・S造地上五階建て、延べ3万4,677?規模の大型複合施設を建設するもの。施工は清水・銭高・岡野・長 村特定JV。完成は2008年2月29日。 トンネルウォークには最高齢80歳のお年寄りから、6歳の元気な子供まで幅広い年齢の老若男女が参加した。 1班数十人程の班に分かれ、9時15分に第1班が二条駅の地下部から敷設されたレールの上を西へスタートし た。歩きながら参加者たちの声を拾ってみると、「好奇心で参加したが、来て良かった。楽しい思い出ができ た」(60代女性)、「スケールの大きさに感動した。素晴らしい」(30代男性)、「本当に感動した。開業が 楽しみだ」(70代男性)などと地下鉄現場工事での体験に様々な思いを巡らせた。 参加者たちは3か所で同局職員から工事概要の説明を聞き、ゴール地点の(仮称)天神川駅めざして元気いっ ぱいに歩き歩いて、全員見事に2,400mを完歩した。