独禁法違反に厳正対処 期間延長など６項目 大阪府では、大阪府建設工事等指名停止要綱の一部を改正する。改正独占禁止法の施行に伴うもので、独禁法 違反での指名停止期間の延長はじめ、課徴金減免制度適用者等に対する指名停止短縮措置制度の創設、再犯防 止や苦情処理手続きなどについて改正を行う。９月１日からの適用となる。 今回の改正は、今年１月４日に施行された改正独禁法により同法違反に対する取締りが強化されたことを踏ま え、違反などの不正行為に厳正に対処するために行われるもの。
改正されたのは、 ▽独禁法違反に係る指名停止期間の延長 ▽課徴金減免制度適用業者等に対する指名停止期間短縮措置の創設 ▽不起訴処分の場合の指名停止短縮措置の創設 ▽再犯に対する指名停止期間の強化 ▽届出･報告義務違反に係る指名停止期間の明確化 ▽苦情処理手続 --の６項目。
独禁法違反に係る指名停止期間の延長は、改正独禁法の施行後に談合が行われた場合の指名停止期間を従前の ２倍とするもの。これにより府の発注工事等では従来１年間であった指名停止期間が２年となり、府以外の公 共機関が発注した建設工事では、府内の公共機関の場合は６カ月から１年に、府外の公共機関は３カ月から６ カ月にそれぞれ延長する。
課徴金減免制度適用業者等に対する指名停止短縮措置の創設は、課徴金減免制度が適用された業者及び排除措 置命令等に対して審判請求をしない業者を指名停止期間を２分の１に短縮するもの。ただし、改正独禁法の施 行日前に違反行為を行っていた者に限るとしている。
また、不起訴処分での指名停止短縮措置の創設では、各種の法令違反を原因として指名停止となった業者が、 起訴猶予処分となった場合について指名停止期間を２分の１とするもの。
再犯に対する指名停止期間の強化では、刑法談合や独禁法違反を原因とする指名停止について、３年以内の再 犯に対する指名停止期間を、課徴金の加算制度を参考に従来の1.25倍から1.5倍に加重する。
届出・報告義務違反については、府と契約した業者かその下請業者が暴力団員等から不当な要求を受けた場合 に、警察への届出及び契約局担当者への報告を正当な理由なく怠った者に対して、新たに１カ月 ３カ月の指 名停止措置を下すこととした。
苦情処理手続きについては、指名停止等の措置を下された業者が指名停止等の措置に対して苦情を申し出るこ とを可能とする条項を新設したもの。なお、物品・委託役務関係の指名停止要綱についても同様に一部改正す るとしている。
大阪府の平成１７年度における指名停止件数は１８９者で、このうち独禁法違反は８３者で最も多くなってい る。
